赤楚衛二が放った恐ろしいほどの“怒り” 『SUPER RICH』優に重々しくのしかかる重圧

赤楚衛二が体現した、恐ろしいほどの“怒り”

 人との信頼関係を軸に描かれてきた『SUPER RICH』(フジテレビ系)だが、第9話でその基盤が大きく崩される。家族の信頼、夫婦の信頼、社員同士の信頼……。どの関係にも翳りの見える苦しい展開となった。これまでどんな時も仲睦まじく乗り越えてきた衛(江口のりこ)と優(赤楚衛二)の夫婦関係にも暗雲が立ち込める。

 順調かと思われていたスリースターブックスは、上場を前にして衛がリモートワークに切り替えたことが大きく響く。リリカ(志田未来)の進言もあり急遽COOをたてることが決まり、そのポジションを任されたのは優だった。しかし思うように事は進まず、加えて優の実家の問題が会社へと飛び火する。これには優もすっかり気落ちした表情を見せる。だが悪いことは重なるもので、衛の体調が芳しくないことも発覚し、優は八方塞がりに。これまで以上に優の視点で語られた第9話は、重々しくのしかかる優への重圧が視聴者へと伝わる苦しい回となった。

 スリースターブックスの再起から衛の恋へと紡がれた物語に続いて、ようやく原点に立ち返るように描かれた貧困問題。序盤での裕福な衛と貧乏な優とのコントラストが、今度は新たな視点から浮き上がる事になる。いつの間にふたりの価値観は入れ替わってしまったのだろう。優は、父親の印刷所が納期をきちんと守れず会社に迷惑をかけてしまったことで父を叱責する。そこで「もう嫌なんだよ、金がない、金がないって話ばっかり」と本音を漏らした。この時点で優は、家族の愛や絆が金によって脅かされることに気づいていたのだろう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる