『恋です!』杉咲花×杉野遥亮はこのまま別れてしまうのか? 最終回はユキコと森生の1年後に
「俺、必要ないですか?」ーー。ヒーロー気質の緋山(小関裕太)が現れてから、森生(杉野遥亮)はいつも不安を感じている。役に立つから、一緒にいるわけではない。森生も、そんなことは分かっているはずだ。ユキコ(杉咲花)が、すべてをひっくるめて愛してくれていることも。だが、『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』(日本テレビ系/以下、『恋です!』)第9話では、2人の関係に暗雲が立ち込める。
どうして、鹿児島なんだろう……。第9話を観た視聴者の誰もが、もどかしい気持ちになったはずだ。やっと、森生に巡ってきた正社員になるチャンス。もちろん、手放しで喜びたい。だが、正社員になるには、鹿児島店に移動しなければならない。つまり、ユキコとは離ればなれになってしまうのだ。
森生は、「ユキコさんの人生の方が大事」と言い、正社員の誘いをあっさりと断る。だが、彼はうれしかったはずだ。喧嘩でついたキズのせいで、いつも周囲から白い目で見られてきた。「その顔のキズはちょっと……」「悪いけど、問題起こすような人は必要ないんだ」と言われ、バイト先さえも見つけることができなかった日々。それが、正社員だ。これまでは、邪魔者扱いされるだけだったのに、初めて大人に認められた。“必要”とされたのだ。それでも、森生はユキコにとって“必要”な自分でありたいと願った。
一方のユキコは、自分の存在が森生の重荷になっているのではないか? と悩む。いつも、「人に必要とされるのはうれしい」と言っていた彼。もしも、今回の誘いを断れば、“必要”とされる幸せを感じることができないままかもしれない。森生にとっての幸せは、ユキコに“必要”だと思われることなのに。お互いの幸せを願っているからこそ、すれ違いが生じてしまう。「好きだから、辛い」ユキコと、「好きなのに、遠い」と感じる森生。2人の心が離れていく様子に、胸が締め付けられた。
もしかすると、森生が松葉杖になった時にはもう、2人の歯車は狂い始めていたのかもしれない。それまでは、同じ歩幅で歩くことができた。ユキコが通りづらい道は、ゆっくり歩き、「段差ありますよ」と声をかけて。だが、白杖を持つユキコと、松葉杖の森生は、隣を歩くことができない。白杖に当たらないように、森生は後ろからついて行くしかないのだ。