『恋慕』フィに対するジウンの愛情深さを痛感 見守りたい“2番手”イ・ヒョンの想い

『恋慕』フィに向けるジウンとヒョンの愛

 ついに、自分が女性であることをチョン・ジウン(ロウン)に明かしたイ・フィ(パク・ウンビン)。Netflixで配信中の韓国ドラマ『恋慕』は、緊張の告白で第13話を迎えた。ジウンは真実を聞かされた後、ひどく驚いたり理由を聞いたりすることもなく、変わらない態度でいた。正体を隠されていたことよりも、フィが今まで背負ってきた苦しみを思って心を痛めていたのだ。騙したフィを恨むより、気づけなかった自分を責めてしまうほどフィに対する愛情が深くなっていたのだ。ジウンが彼女のことをどれほど慕っているか、痛切に感じられるシーンである。

 このジウンの変わらぬ愛は、いつだって張り詰めたフィの心を緩め、安らぎを与えてくれる。だから、ほんの僅かな希望でも抱きたくなってしまう。毎日一緒においしい夕食を食べて、ある日は市場で買い物に出かける、人々が当たり前にできることを2人が語ると、どの場面も輝かしい。それだけ届かない未来とも言えるだろう。一見、幸せな時間が流れているようでも、終わりがあることを知っているから輝かしく、儚いからこそ美しくみえてしまうのかもしれない。

 この時代は、“誰の下につくか”で運命が決まる。それが生き延びるための道だからだ。ウォンサン君(キム・テク)についた領議政チャンチョン君(ソン・ジョンハク)は、裏切られた上に王を毒殺した罪まで被せられる運命となる。左義政ハン・ギジェ(ユン・ジェムン)の下についたフィは、大切な人たちの命を守るために己の人生に再び蓋をして、廃世子から王位継承する運命になったことをみればわかるだろう。

 あまりにも突然に逝ってしまった王イェジョン(イ・ピルモ)の死を悲しむ中、ギジェがフィの怪我した腕を血が滲むほど強く掴んだのは、逃げることはできない「操り人形」の刻印を押しているかのようだった。ギジェの憎い手を振り払うことができず涙を堪え、ジウンが差し伸べる優しい手を振り払い涙を流すフィの痛ましい描写は耐えがたいものだった。

 第14話からは雰囲気がガラリと変わり、笑みがこみ上げる場面も戻ってきた。フィが王に即位すると官服の色は紺から赤へと鮮やかな色になり、視覚的にも明るくなったように感じる。品格と凛々しさが増し、美しさと煌びやかさが一層際立つ伝統衣装をキャスト陣が着こなす姿は、ファンには嬉しい史劇ならではの楽しみだ。そして、雰囲気が変わったのはノ・ハギョン(チョン・チェヨン)がフィの妃として再び登場したからだろう。純粋で憎めないキャラクターのハギョンとフィ、ジウンの三角関係はどうやらラブコメパートが待っているようだ。

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