『青天を衝け』吉沢亮×大島優子の絶妙な距離感 岩崎弥太郎、五代友厚らの死も

『青天を衝け』大島優子演じる兼子が後妻に

 大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合)第37回「栄一、あがく」では、千代(橋本愛)を亡くした栄一(吉沢亮)が早くも再婚する。相手は、第34回で芸者見習いとして登場した伊藤兼子(大島優子)。やす(木村佳乃)の後押しもあり、兼子は名士の妻として新しい人生を送ることを決断する。

 栄一は千代の死から立ち直れずにいた。兼子を後妻として渋沢家に迎えたのは家政を任せるため。財政界の人々との交際は妾のくに(仁村紗和)には荷が重いとの判断からだった。栄一と兼子の初対面は、なんとも重苦しい空気が流れる。それは緊張した面持ちの兼子が、心ここにあらずといった栄一の表情を見て、さらに不安の色を濃くしてしまうからだ。

 うた(小野莉奈)が陳重(田村健太郎)との男の子を産み、栄一はおじいちゃんに。初孫を見た栄一の第一声は「お千代に見せてやりたかった……」。それを横で聞いていた兼子は、一向に栄一の息子・篤二との距離も埋まらないままだった。

 そこから兼子は栄一に離縁を切り出す。今でも亡き千代を思い続ける栄一に兼子は「一生かけても奥様の代わりにはなれません」と頭を下げるのだった。それに栄一も「許してくれ」と頼み込む。市郎右衛門(小林薫)やゑい(和久井映見)、慶喜(草なぎ剛)をはじめとする一橋家、さらには千代と、これまで栄一は多くの人に支えられてきたことを自覚し、兼子の助けが必要であることに気づかされたのだった。

 「この家を……家族を守りたい。どうか、力を貸してください」──やっと後妻と向き合うことを決めた栄一は兼子と和解。渋沢家に来てからは常に心配そうな表情だった兼子も、安堵するようにして柔らかな笑みを浮かべる。

 明治18年、伊藤博文(山崎育三郎)が初代内閣総理大臣に就任した年には、兼子との子・武之助はすっかり大きく、さらに正雄が産まれていた。一方で、篤二は17歳に。演じるのは泉澤祐希。栄一と兼子の姿をベランダから見つめるその手には煙草の箱が。煙草をトントンとリズミカルに叩き、咥える様子は慣れた手つきに思える。

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