孤独を感じたことのある全ての人へ 『ディア・エヴァン・ハンセン』が寄り添う過去と現在

ミュージカル映画でありながらも、派手な演出はない。ただ、皆が本来の会話では伝えられない本心を、歌に乗って口ずさんでいく。特に主演のベン・プラットの、うまく伝えられないけど伝えたいというエヴァンの気持ちを、表情と歌い方でしっかり表現する演技力には脱帽。エヴァンの気になる女の子を演じた、『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』のケイトリン・デヴァーもすごく良いし、ジュリアン・ムーアにエイミー・アダムスと脇を固める女優陣の説得力をもたせる演技が素晴らしい。
孤独にも、種類がある。それでも、“孤独”を学生時代など、過去に一度でも感じたことがある人は『ディア・エヴァン・ハンセン』のどこかに共感できるものを見つけられるはず。あの時諦めた自分の感情に向き合い、寄り添う手助けを本作がしてくれることだろう。そして特にいま現在、学校で孤独を感じている人にも観てほしい作品だ。劇中でも似たような趣旨の言葉を言うキャラクターがいたが、学生生活の惨めさは永遠ではない。私自身、14年前の私に伝えてあげたいものだ。
■公開情報
『ディア・エヴァン・ハンセン』
全国公開中
監督:スティーヴン・チョボスキー
出演:ベン・プラット、エイミー・アダムス、ジュリアン・ムーア、ケイトリン・デヴァー、アマンドラ・ステンバーグ、ニック・ドダニ、ダニー・ピノ、コルトン・ライアン
脚本:スティーヴン・レヴェンソン
楽曲:ベンジ・パセック&ジャスティン・ポール
製作:マーク・プラット、アダム・シーゲル
製作総指揮:マイケル・ベダーマン、スティーヴン・レヴェンソン、ベンジ・パセック、ジャスティン・ポール
配給:東宝東和
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