『カムカム』安子と稔に戦争の壁が立ちはだかる それでも“るい”とともに歩む日向の道

『カムカム』安子と稔に現実を突きつける戦争

 紆余曲折がありながらも、ようやく結ばれた安子(上白石萌音)と稔(松村北斗)。『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)第3週は、2人の幸せな結婚生活が描かれた。「安子ちゃん」と呼んでいた稔が、「安子」と呼び始めた時の初々しさ。未来の子どもに思いを馳せ、授かる前から名前を考えたり。楽しそうな2人の姿は、見ているこちらまで頬が緩んでしまうほど。

 しかし、「安子と稔が一緒に暮らせたのは、ほんのひと月足らずでした。短いけれど、幸せな日々でした」というナレーションが、甘い生活の終わりを告げる。安子と稔の恋路を阻んでいた両家の親も結婚を認め、やっと“長くて甘い夢”から覚める必要がなくなったのに。今度は、“戦争”という大きな壁が、2人に現実を突きつけてくる。稔は、学徒動員に応じて出征することになったのだ。

 稔が戦地に向かった後の第4週では、二代目ヒロインとなる“るい”が誕生した。いちばんに喜びを分かち合いたい稔が、そばにいてくれないことは寂しいだろう。しかし、愛する彼の血を引く新しい命が誕生したことで、安子は強くなったように見えた。戦況は悪化の一途を辿っているものの、孫を見て喜ぶ小しず(西田尚美)。夫の杵太郎(大和田伸也)を亡くして憔悴していたひさ(鷲尾真知子)も、久しぶりに笑顔を浮かべていた。るいの存在は、家族の希望であり、安子と稔を繋ぐ糸だったのだ。

 苦しい状況のなかでも、ささやかな幸せを見つけて笑顔を浮かべる。安子は、そうやって精いっぱい生きてきた。戦地で戦う夫の状況が心配でも、周囲のことを気遣って。思えば、稔の父・千吉(段田安則)が2人の結婚を認めたのも、彼女のそんな“心の豊かさ”を感じたからだった。たとえ自分の分がなくなったとしても、元気のない人がいたらおしるこを分けてあげられる豊かさを。



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