『ファミリー・ネスト』などタル・ベーラの日本劇場未公開3作品、4Kレストア版で一挙上映

 タル・ベーラ監督が初期に手がけた日本初公開となる3作品を4Kデジタルレストア版で上映する企画「タル・ベーラ 伝説前夜」が、2022年1月29日よりシアター・イメージフォーラムほかにて開催されることが決定した。

 7時間18分という上映時間を誇る『サタンタンゴ』、56歳という若さで映画監督からの引退を表明した最後の作品『ニーチェの馬』など、いまなお世界中に熱狂的な支持者を生み出している巨匠ベーラ監督。

 今回公開となるのは、ベーラ監督が初期に手がけた『ダムネーション/天罰』、『ファミリー・ネスト』、『アウトサイダー』の3作。1994年に手がけた、全150カット、上映時間7時間18分の『サタンタンゴ』に至るまでの軌跡をたどることができる。いずれの作品も今回日本初公開であり、4Kデジタルレストア版での上映となる。

 『ダムネーション/天罰』は、『サタンタンゴ』原作者であり、本作以降すべての作品で共同作業を行う作家クラスナホルカイ・ラースローがはじめて脚本を担当。さらに『秋の暦』から音楽を手がけるヴィーグ・ミハーイが本作にも携わり、罪に絡めとられていく人々の姿を描いた。

 『ファミリー・ネスト』は、わずか22歳で手がけたベーラの監督デビュー作。住宅難のブダペストで夫の両親と同居する若い夫婦の姿を、16ミリカメラを用いてドキュメンタリータッチで撮影した。不法占拠している労働者を追い立てる警察官の暴力を撮影して逮捕されたベーラ自身の経験を基にしている。ベーラは本作でハンガリー批評家賞の新人監督賞、さらにマンハイム国際映画祭でグランプリを獲得した。

 『アウトサイダー』は、ベーラ監督がブダペストの映画芸術アカデミーに在籍中に製作された長編2作目。社会に適合できないミュージシャンの姿を描いた、珍しいカラー作品となる。ベーラ監督は本作に対し、「当時のハンガリー映画に映っているのは嘘ばかりだった。本当の人々の姿を撮りたかった。これは映画に対するアンチテーゼだ」と語っている。

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■公開情報
「タル・ベーラ 伝説前夜」
2022年1月29日(土)より、シアター・イメージフォーラムほかにて一挙公開

『ダムネーション/天罰』
1988年/121分/モノクロ

『ファミリー・ネスト』
1977年/105分/モノクロ

『アウトサイダー』
1981年/128分/カラー

監督・脚本:タル・ベーラ
脚本:クラスナホルカイ・ラースロー (『ダムネーション/天罰』)
撮影監督:メドヴィジ・ガーボル(『ダムネーション/天罰』)
音楽:ヴィーグ・ミハーイ(『ダムネーション/天罰』)
編集:フラニツキー・アーグネシュ(『アウトサイダー』『ダムネーション/天罰』)
配給:ビターズ・エンド

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