『おかえりモネ』が描く“親父と息子”の難しさ 耕治と新次、それぞれの決心

『おかえりモネ』が描く親父と息子の難しさ

 亮(永瀬廉)は嵐の海から無事に戻った。未知(蒔田彩珠)の言葉に、一度は「俺、幸せになってもいいのかな」と前へ進みかけた亮だったが、「駄目だ。まだケリついてない」と口にする。そして「もう少し、時間くれる?」と未知に言い残すと、その場を立ち去った。NHKの連続テレビ小説『おかえりモネ』が第23週初日を迎え、亮と新次(浅野忠信)、耕治(内野聖陽)と龍己(藤竜也)、それぞれの親子が自分の胸の内と相手の思いに向き合い始める。

 耕治と亜哉子(鈴木京香)は百音(清原果耶)と未知の帰りを待っていた。そんな中、耕治は、銀行を辞めて龍己の仕事を継ぐ考えを亜哉子に打ち明ける。亜哉子は、耕治がいつかそういうことを言い出す時が来るだろうと思っていた、と話す。けれど亜哉子は、穏やかだがはっきりと「簡単には賛成できないかな」と言った。「海の仕事」の厳しさは耕治も重々承知している。それでも耕治は、永浦水産の将来について真剣に考え、決心したのだろう。亜哉子に思いを打ち明けた翌日、耕治は龍己と直接話す。帰ってきた百音と未知は、「そんな簡単に継ぐどが言うな」「おめえ海なめでんのが」という龍己の怒声を聞いた。耕治は、銀行員の仕事を投げ出すわけではないこと、自分がこの後何ができるか考えた末の決断であることを龍己に伝えるのだが、龍己は「俺の仕事は俺で終わる!」と言い切ると、去っていってしまう。

 百音も未知も、耕治が本気であることは理解しているが、現実的ではないと思っている。しかし永浦水産の将来を考えているのは耕治一人ではない。「何も関係ねえように見えるもんが、何がの役に立つってごどは世の中にいっぺえあるんだよ」という龍己の言葉を思い出した百音は、自身も何か役に立つことはできないかと考える。

 日曜日、職場へ出向いた百音は知り合いの農家の手伝いをしていた新次と会った。新次と百音は亮が無事に帰ってきたことについて話すが、百音は亮の話題に言葉を濁す新次を気にかける。新次はそんな百音に「何しろね、もう、親父と息子って難しいのよ」と苦笑する。新次は決して亮との対話を避けたいわけではない。ただ何を言えばいいのか分からないだけなのだ。そんな新次に、百音は亮が「俺、幸せになってもいいのかな」と口にしたことを伝える。それを聞いて新次は「何言ってんだ、あいづ。そんなの当たり前だろ」と笑うが、百音の眼差しを見て、亮が自分のことを気にかけ、前へ進めずにいることを悟ったようだった。この時の新次の表情が感慨深い。亮を思い、また自分にケリをつけることを決心したかのような、静かながらも新次の胸の内が伝わる表情だった。

 第23週のタイトルは「大人たちの決着」。亮と新次、耕治と龍己、それぞれの親子が自分たちの思いにどう決着をつけるのか、気になるところだ。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:清原果耶、内野聖陽、鈴木京香、蒔田彩珠、藤竜也、竹下景子、夏木マリ、坂口健太郎、浜野謙太、でんでん、西島秀俊、永瀬廉、恒松祐里、前田航基、高田彪我、浅野忠信ほか
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか
写真提供=NHK



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