“自分1人ではない”制作が世界観を拡大 『宇宙の法―エローヒム編―』監督が明かす秘話

今掛勇監督が語る『宇宙の法』の裏側

「少しでも勇気や力が湧いてくれたら」

ーー本作ではそんなキャラクター同士の戦闘も魅力のひとつです。

今掛:本作は、地上での戦いと宇宙での戦いという、大きく2つの場所での戦闘シーンで構成されています。エローヒム軍は、持っている武器が意外と原始的なんですが、それでも戦えるようにアンドロメダ義勇軍や惑星連合軍も加わり、壮大な組織戦になっているのが本作の特徴です。敵となるケンタウルスβ軍や悪役であるダハールは、ダークマターという強大な力を用いるわけですが、そんな光と闇の戦いの象徴として、光の加減で戦況を表現しているのでそちらも注目していただけたら嬉しいです。

ーー本作の制作を通して、印象的だったエピソードはありますか?

今掛:本作の挿入歌になっている「君という奇跡」という曲についてなのですが、制作開始時期に聞いたときはこの曲がこの作品に合うのかと思ったときもあったんです。ところが聞き込んでいくと歌詞の内容が1億5000万年前から今までを一瞬で見通せるようなもので。それを知った時、時間という概念が変わったようで、新たな映画作りの指針になりました。

ーー公開を迎えての今の心境は?

今掛:不思議と緊張していないというのが正直なところです。監督なので作品制作の責任を背負う立場ではありますが、どこかで、自分ではない“誰か”が作ってくれているという感覚がこのシリーズにはあるんです。それがこの作品の魅力にもつながっていると思います。自分個人の器で作ってしまうと、どうしても作品も縮こまってしまいがちです。ただ、本作のテーマ・メッセージはすごく大きなものですから、それを自分1人の小さな器に入れるのではなく、スタッフだったり自分を見ていてくれる人たちと一緒に作っていくと思うからこそより良いものに繋がると考えています。混沌とした今の地球の中では、国や地域といった枠組みからもっと広げて、“地球人”としてのあり方のようなものを見直すべきでしょうし、そのことに我々も気づき始めている時代だと思います。そしてその答えがこの作品に込められていると思います。美しいアニメーションと迫力あるシーン、心に響く楽曲を一緒に楽しみながら、この映画を観て少しでも勇気や力が湧いてくれたら嬉しいです。

■公開情報
『宇宙の法―エローヒム編―』
全国公開中
製作総指揮・原作:大川隆法
出演:千眼美子、大原さやか、新井里美、掛川裕彦、高橋広樹、笠間淳、置鮎龍太郎、八代拓、村瀬歩、伊藤美紀、銀河万丈
監督:今掛勇
音楽:水澤有一
脚本:大川咲也加
総作画監督・キャラクターデザイン:今掛勇
VFXクリエイティブディレクター:粟屋友美子
アニメーション制作:HS PICTURES STUDIO 幸福の科学出版作品
配給:日活
配給協力:東京テアトル
(c)2021 IRH Press
公式サイト:https://laws-of-universe.hspicturesstudio.jp/

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