『青天を衝け』小林薫が体現した“とっさま”の美しい生き様 大河では異例のリモート演出も
第30回は市郎右衛門の最期が描かれるほかにも、新政府の基礎を作るべく、新たな貨幣の流通や廃藩置県に栄一が取り掛かる。ユニークなのは、その見せ方。廃藩置県とは、全国に約260あった藩を廃止し、代わって府と県を置いた行政改革。「ピローン」という電子音とともに、岩倉具視(山内圭哉)から順に各藩主が映る画面へと分裂していき、今ではすっかり見慣れたリモート画面が無数に開かれる演出は、大河ドラマとしてはかなり斬新だ。
その兆しとしてあったのは、徳川家康(北大路欣也)がこの『青天を衝け』をタブレットで視聴しながら「あぁ、駄目だ駄目だ。それじゃ、何も変わらん……」とぼやく、まさかのメタ展開。家康は我々視聴者と同じ俯瞰した立場で語る、ストーリーテラーの位置にいるため、おかしくはないのだが、やはり大河にタブレットはこれまた斬新なアイテムと言える。
また、第30回には、新キャラクターとして、栄一が大阪の造幣局への出張で出会う女中・大内くに(仁村紗和)が登場。果たして、『青天を衝け』では、栄一とどんな関係となっていくのだろうか。
■放送情報
大河ドラマ『青天を衝け』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアムにて、毎週日曜18:00~放送
BS4Kにて、毎週日曜9:00~放送
出演:吉沢亮、小林薫、和久井映見、村川絵梨、藤野涼子、高良健吾、成海璃子、田辺誠一、満島真之介、岡田健史、橋本愛、平泉成、朝加真由美、竹中直人、渡辺いっけい、津田寛治、草なぎ剛、堤真一、木村佳乃、平田満、玉木宏ほか
作:大森美香
制作統括:菓子浩、福岡利武
演出:黒崎博、村橋直樹、渡辺哲也、田中健二
音楽:佐藤直紀
プロデューサー:板垣麻衣子
広報プロデューサー:藤原敬久
写真提供=NHK