デヴィッド・ボウイはなぜ特別なのか　『スターダスト』監督が明かす、知られざる過去

「自分の弱さや恐怖心を力に変えることができたアーティスト」

ーーそんなボウイを演じるのがミュージシャンとしても活躍するジョニー・フリンです。

レンジ：フリンは最初から第一候補だった。僕はミュージシャンとしてのフリンも、俳優としてのフリンもすごくリスペクトしている。ボウイを演じる俳優がミュージシャン、もっと言うならばガラガラの会場で演奏した経験があるようなミュージシャンでなければ、ボウイの気持ちにもなれないと思っていた。フリンはボウイと一緒でカリスマ性があるし、ボウイの実際の動き方や口調をすぐにインプットして演じてくれた。素晴らしい俳優だよ。

ーー本作の制作を通して改めて気づいたボウイの魅力は？

レンジ：いい質問だね。この脚本を書いている最中にボウイにとって精神病というものが重要だったことに気づいた。彼の兄・テリーが精神病を患っていたということ自体は知っていたけれど、それがすごくボウイのアーティストとしての活動に影響を与えていたんだ。『世界を売った男』以外のアルバムや楽曲にもその影響を感じ取ることができる。新しい人格を自分で生み出して演奏するというボウイのスタイルはそうしたものがルーツにあったし、彼にとってすごく重要な行為だったんだ。ボウイが自分の弱さや恐怖心を力に変えることができたアーティストだったということは、本作を通して改めて学んだことだね。

■公開情報
『スターダスト』
TOHOシネマズ シャンテほかにて公開中
監督：ガブリエル・レンジ
プロデューサー：ポール・ヴァン・カーター、ニック・タウシグ、マット・コード
脚本：クリストファー・ベル、ガブリエル・レンジ
出演：ジョニー・フリン、ジェナ・マローン、デレク・モラン、アーロン・プール、マーク・マロン
配給：リージェンツ
提供：カルチュア・パブリッシャーズ／リージェンツ
2020年／イギリス・カナダ／109分／原題：Stardust／PG12
(c)COPYRIGHT 2019 SALON BOWIE LIMITED,WILD WONDERLAND FILMS LLC
公式サイト：http://davidbeforebowie.com/
公式Twitter：@STARDUST_MOVIE