『海街チャチャチャ』第15話、自分を許すための時間 ホン班長の悲しみが春を迎える

『海街チャチャチャ』悲しみが迎えた春

 幼い頃に両親を亡くした上に祖父まで失っているホン班長は、子供の頃から自立して大人びている反面、誰にも甘えることができず、心と体の成長が伴っていなかった。その苦しい胸の内を今までは話すことができる人がいなかったが、ヘジンというありのままの自分を受け入れてくれる恋人ができ、ホン班長は過去を乗り越えることができた。

 そしてコンジンでの撮影によりホン班長の親友となったチPD(ソンヒョン先輩/イ・サンイ)。ドハの先輩であり、この出来事によっていとこのソナの夫を亡くしたチPDは、ドハの知らない事実を話す。「ささくれができた気分だろ。引っかかるし痛くて気になる。うまく切らないと余計に裂けて痛くなるぞ」とドハにホン班長と話し、気持ちを整理することを促した。ドハはその助言に従って、ホン班長と父親の気持ちを知ることができた。

 一方、ソナは夫を亡くした直後はその悲しさから、“生きていたくない”とホン班長に当たっていた明かす。「私はもうあなたを恨んでなんかいない」「だからあなたももう……自分を許してあげて」と声を掛け、ホン班長もヘジンの存在に加えて当事者の言葉に救われたのだ。

 最後には、ヨングク(イン・ギョジン)とファジョン(イ・ボンリョン)の息子で、ホン班長の幼少期そっくりな賢くしっかり者のイジュン(キ・ウンユ)が、声を上げて泣き、初めて子どもらしさを見せた。離れ離れに暮らしていた両親が和解し、再び一緒に暮らせることに「嬉しくて涙が止まらないんだ。でも僕が泣いたら2人が悲しむでしょ」と公園で泣いていたイジュン。ずっと3人で暮らしたかった寂しさを打ち明け、普段はクールなイジュンがこのような様子は新鮮だった。対比として描かれたイジュンとホン班長の姿からは、“辛い時は抱え込まず、誰かに話し、我慢しないで泣いても良い”という本作の一貫したメッセージが込められているように思う。

■配信情報
Netflixオリジナルシリーズ『海街チャチャチャ』
Netflixにて独占配信中
脚本:シン・ハウン
演出:ユ・ジェウォン
出演者:シン・ミナ、キム・ソンホ
写真はtvN公式サイトより

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