三吉彩花、監督デビューを経て目指すものづくりへの思い 「女性が輝けるものにしたい」
「女性が強く輝いていける作品やプロジェクトに携わりたい」
ーー『Daughters』で取材させていただいたときに、フランス映画がお好きという話をされていましたが(参考:三吉彩花×阿部純子が考える、女性としての生き方と人生観 「どういう選択をしていくかが重要」)、今回の『inside you』からはそのような三吉さん自身の好みも作品に反映されているように感じました。
三吉:そうですね。ヨーロッパの映画が好きで、今回は特に色味などはドイツ映画に寄せた感じもあります。初めて作る作品だったので、もちろん観ていただく方に評価していただけたら嬉しいなとは思いつつも、自分が一番この作品のことを好きでありたいなと思ったんです。なので、自分の好きな要素をものすごく詰め込んだ作品にしました。
ーー初めての監督作は一生に一本しかない特別なものですしね。
三吉:だから最初はどういう作品にするかものすごく悩んでしまって。世の中の人が感動したり共感したりするものの方がいいのか、逆にすごい奇抜でぶっ飛んでいた方がいいのか……とか、ギリギリまで何を作りたいのか自分の中で決められなくて。本当はストーリーも自分で考えたいなとは思っていたんですけど、そういう経緯もあって脚本をコンペに出させていただいたんです。そこからはポンポンポンとやりたいことが明確に見えてきたので、結果的にこういうかたちで本当によかったなと思います。
ーーちなにみ三吉さんはどんな映画監督がお好きなんですか?
三吉:とりあえずギャスパー・ノエがめっちゃ好きです。
ーーおお。それは意外ですね。
三吉:ギャスパー・ノエの作品って、すごく色彩が印象的じゃないですか。もちろんカメラワークや音楽もすごく奇抜でいいなと思うんですけど、私は彼の作品の色味や深みがすごく鮮明に頭に残るんですよね。映画のストーリーよりも映像の美しさにすごく惹かれるところがあります。日本の方だと、蜷川実花さんの作品が好きです。あの世界観は蜷川さんにしか生み出せない独特のもので、やはりそういった独自の世界観を持っている方の作品には惹かれますね。
ーー役者さんで監督もやられる方って、クリント・イーストウッドみたいに自身の監督作に自ら出演する人もいますよね。今回の『MIRRORLIAR FILMS Season1』だと安藤政信さんは監督もしながら出演もされていますけど、三吉さんにはそういう選択肢はなかったんですか?
三吉:それがまったく興味がないんですよね。もともと両立するのがすごく苦手なタイプなので、監督した作品に自分が出るという選択肢はありませんでした。でも確かに、今回はセリフがほとんどないので、細かい表情のニュアンスを出すために、誰にお願いしたらいいだろうというのは、結構皆さんとも議論をさせていただいて。その中で、自分でやったほうが早いんじゃないかという話になったことはありましたね(笑)。でもやっぱりそこは違うなと。
ーーやる側は大変ですよね。
三吉:だから山口(まゆ)さんは本当に大変だっただろうなと思います。もし自分が演じる側だったら、すごくハードルの高い役だなと思ったので。でも撮影初日のときに、山口さんに「やりづらいですよね」って話をしたら、「主人公の気持ちもよく分かるし、スッと自分の中に入ってきて、すごく好きな脚本でした!」と言ってくれて。実際、とても細かく繊細に演じてくださったので、本当にありがたかったです。
ーー役者やモデルに加え、監督という新たな肩書きも加わりましたが、いろんな表現方法がある中で、三吉さん自身が発信していきたいことは変化していますか?
三吉:それは最近特に考えますね。10代の頃は、アイドル活動をしていたり、ティーン誌のモデルやっていたこともあり、どういう方に届けたいかがかなり明確に見えていたので、どうやったら皆さんに喜んでもらえるかを結構考えながらお仕事をしていて。それが20歳を超えて、今25歳になって、どんどん歳を重ねていくうちに、あまりそういうことを考えず、自分が届けたいと思うものを作っていきたいと思うようになりました。作る側の人たちといいコミュニケーションをたくさん取って、丁寧にものづくりをしていきたいなと。それが世に出たときにいい評価をしていただけるのであれば、それはものすごく嬉しいことではありますが、その辺りの感覚は徐々に変化しているかもしれません。
ーー作品への思いやこだわりもより強くなっているということですね。
三吉:そうですね。今回の『inside you』もそうなのですが、女性が強く輝いていける作品やプロジェクトに携わりたいと今は考えているんです。『inside you』も登場人物が全員女性なんですけど、女性がみんなを引っ張っていくカッコいい女性像が描かれているものが好きなので、自分自身が演じる役柄もそうですし、今回のショートフィルムのように、自分が表現していくものも、女性が輝けるものにしたいなと思っています。
■公開情報
『MIRRORLIAR FILMS Season1』
全国順次公開中
『さくら、』
監督:安藤政信
出演:山田孝之、森川葵、安藤政信
『Petto』
監督:枝優花
出演:吉田美月喜、横田真悠、河井青葉、渡辺哲
『暴れる、女』
監督:武正晴
出演:友近、渡辺大知
『充電人』
監督:西遼太郎
出演:本田響矢、永井理子
『INSIDE』
監督:花田陵
出演:山中蓮名、木村多江
『B級文化遺産』
監督:針生悠伺
出演:春日潤也
『無題』
監督:藤原知之
出演:仁村紗和、奥村心結
『inside you』
監督:三吉彩花
出演:山口まゆ、飯島望未
『無事なる三匹プラスワン コロナ死闘篇』
監督:山下敦弘
出演:山本浩司、山本剛史、宇野祥平、水澤紳吾
配給:イオンエンターテイメント
(c)2021 MIRRORLIAR FILMS PROJECT
公式サイト:films.mirrorliar.com
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<応募締切>
10月8日(金)