『彼女はキレイだった』赤楚衛二演じる樋口、主役級の活躍 ラストの衝撃に話題沸騰
過労で倒れた宗介(中島健人)と、心配して駆けつけた愛(小芝風花)の病室におけるイチャイチャぶりに、お見舞いにやってきた岡島(片瀬那奈)に2人の関係がバレないようにとクローゼットに隠れる愛。そんな古典的なラブコメ展開から始まる9月7日放送の『彼女はキレイだった』(カンテレ・フジテレビ系)第9話は、がらりと“お仕事ドラマ”の方向へと舵を切る。それは今回のラストで待ち受けていたビッグサプライズへの伏線としての役割を果たし、宗介と愛の恋愛成就という物語のひとつのゴールを過ぎたにもかかわらず、このドラマらしいハイスピード感を損なわない充実なセミファイナルを生み出すことへとつながったと見える。
愛と恋人同士になれた喜びで、「ザ・モスト」の編集部員たちも驚くほどの明るさで出社した宗介。雑誌の存続がかかった次号の目玉企画として宗介が取り付けたのは、メディアにほとんど露出しないという人気アーティスト・アリサの独占インタビュー。着々と準備を進め、雑誌の存続が決まったらプロポーズすることを愛に宣言する宗介。しかしそんな矢先、アリサの脱税が週刊誌にスクープされてしまい独占インタビューはお蔵入りに。代わりの取材対象を探すために奔走する編集部員たちは、素性不明の小説家・楠瀬凛への取材を試みようとすることに。
前回のエピソードが愛と梨沙(佐久間由衣)の“友情”にフォーカスしたように、今回のエピソードは樋口(赤楚衛二)の“失恋”にフォーカスを当てることで、これまでこのドラマを形成してきた「四角関係」の顛末を後味良く、綺麗なかたちへとまとめ上げていく。失恋してもなお“最高の友達”として愛を大切に想う姿勢を崩さず、それでいて宗介とは仕事仲間として拳を重ね合わせる。そしてこのままでは「ザ・モスト」の存続が絶望的になり、宗介が本国に戻されてしまうのではと編集部員たちが噂するのを聞き、動揺する愛。その様子を見た樋口は大きな決断を下すのである。
第4話で愛と宗介が2人で房総半島にロケハンに行ったくだりで、トークの中にさらっと登場した楠瀬凛。結論から言えば、素性が完全に謎に包まれている人気覆面小説家の正体が樋口であるというのが、本作における最大のサプライズである。もちろんこれはオリジナル版とまったく同じ展開であり、わかっている視聴者にとっては最初から想定の範囲内だったわけだが、そこにたどり着くための下準備の数々を省かない良質な脚色がそのサプライズを成功へと導いていく。