『おかえりモネ』“呪縛”から解き放たれた百音たち 初めて向き合った震災の日

『おかえりモネ』呪縛から解き放たれた百音

 何を経験するか、何を選ぶかで道は違ってくるけど、決してどちらが正しいとか間違ってるとか、偉いとか偉くないとかはない。未知(蒔田彩珠)が亮について語ったように、いつも悲しいことばかりではなく、楽しいことも嬉しいこともたくさんあって、だけどたまに傷が化膿して痛むこともある。日々はその繰り返しだ。だけどあの頃のみたいにずっと一緒にいることはできなくても、絶望するような辛い出来事にも直面しても、それぞれ違う場所から送り合う光を頼りに、歩みを進めることはできる。

「俺ら、もう普通に笑おうよ」

 三生が最後に付け加えた言葉で、その場にいる幼なじみたちが“呪縛”から解き放たれたことがわかる。どこにいたっていい。疲れたら今いる場所から離れたっていいし、誰かの期待に応えようとしなくてもいい。「ただ幸せでいてくれれば」と子どもたちに胸を張って言えるように、亜哉子(鈴木京香)はまず自分たち大人が笑うことを選んだのだろう。お腹が空いたと、昔から大好物のオムライスを口にする亮と、それを聞いて笑い出す百音たちの姿に希望を感じずにはいられない回となった。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:清原果耶、内野聖陽、鈴木京香、蒔田彩珠、藤竜也、竹下景子、夏木マリ、坂口健太郎、浜野謙太、でんでん、西島秀俊、永瀬廉、恒松祐里、前田航基、高田彪我、浅野忠信ほか
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか
写真提供=NHK

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