『#家族募集します』重岡大毅の演技が強力な引力に 最終話の屋上であふれた感謝と愛情

『#家族募集します』最終話であふれた愛情

 俊平が、どれほどの思いを胸に押し込めていたのか。一瞬でも緩めてしまったら止まらなくなるからこそ、無意識に強くフタをしていたものが一気に噴き出した様子は、役者・重岡大毅の最大の持ち味と言えるだろう。

 9月17日に重岡が出演した『A−Studio+』(TBS系)では、近年の活躍の裏側で「カッコつけるのをやめたんです」という決意をしていたことを明かしていた。自分のテリトリーを守る秘密主義であり、やると決めたらまっすぐに努力するストイックな性格の重岡は、自分だけでなんとかしようとしていた当初の俊平というキャラクターとも重なる部分があるように感じた。

 そしてにじやの仲間と出会い、ありのままの自分で先の見えない未来を歩んでいく俊平の姿は、もしかしたらジャニーズWESTをはじめとした家族とも呼べる仲間たちに出会い、カッコつけずに表現することを知った重岡自身の物語とリンクしていたのかもしれない。そんなふうに考えてしまうほど、本作の俊平という役柄に重岡はフィットしていたのだ。

 第1話と対象的に描かれた最終話の屋上シーン。切なくて辛いかつての涙とは違い、感謝と愛情があふれる嬉し涙になっていた。そんな自然体な重岡の演技が強力な引力となって、キャストたちの素の演技が引き出されたのではないだろうか。

 きっとこの『#家族募集します』というドラマを通じて彼らが過ごした日々は、その様子を見届けた私たち視聴者にとっても、おいしいメロンのように「思い出し甘みで5年はイケる」思い出になった。ここから巣立つ重岡たちの新しい挑戦もまた楽しみだが、願わくばまたいつか「ただいま」と言って帰ってくる続きの甘みも味わってみたい。

※参照
https://realsound.jp/movie/2021/08/post-844078_2.html
https://realsound.jp/movie/2021/09/post-865545.html
https://www.tbs.co.jp/tv/20210917_A361.html

■作品情報
金曜ドラマ『#家族募集します』
出演:重岡大毅(ジャニーズWEST)、 木村文乃、仲野太賀、岸井ゆきの、佐藤遙灯、宮崎莉里沙、三浦綺羅、丸山礼
脚本:マギー
演出:福田亮介、村尾嘉昭
プロデューサー:佐久間晃嗣、岩崎愛奈、那須田淳
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる