第32回東京国際映画祭で観客賞&最優秀女優賞受賞 フランス映画『悪なき殺人』12月公開
映画『Only The Animals(原題)』が邦題『悪なき殺人』として12月3日より全国公開されることが決定し、あわせて場面写真とドミニク・モル監督からのコメントが到着した。
本作は、2019年の第32回東京国際映画祭にて『動物だけが知っている(仮題)』のタイトルで上映され、観客賞と最優秀女優賞(ナディア・テレスキウィッツ)を受賞したフランス映画。『ハリー、見知らぬ友人』でセザール賞を受賞し、25年のキャリアのうち製作本数はわずか6作という寡作作家ドミニク・モル監督の、『マンク 破戒僧』以来10年ぶりの日本公開作となる。
フランスの山間の人里離れた町で、吹雪の夜にある女性が失踪し、殺された。疑われたのは、農夫のジョセフ、ジョセフと不倫する女アリス、そしてアリスの夫ミシェル。たったひとつの“偶然”が連鎖し、悪意なき人間が殺人者になる。この失踪事件を軸にして、5人の男女がリアルタイムで繋がっていることが紐解かれていき、壮大なミステリーに絡んでいた事実が次第に明らかになっていく。フランスの雪深い山間の田舎で起きた事件は、遠くアフリカのコートジボワールと繋がっていたのだった。
映画化にあたり、「コラン・ニエルの原作『Seules les Betes』を読み、このユニークな設定がすぐに気に入り、映画化できないかと考えました」と語るモル監督。それぞれ秘密を抱えた5人のキャラクターが登場するが、「彼らがどう紐づいていて、失踪事件の真相は一体何なのか、この謎めいた世界観に、読んでいて好奇心がどんどん掻き立てられました。本作は5つの愛の物語で構成しています。誤解や秘密、妄想、失望、幻滅から生じたフラストレーションの溜まった非対称の愛の物語です。どのキャラクターも愛したい、そして愛されたいという衝動にかられて行動しています。愛を求め、愛を信じ、愛を分かち合い、愛に生きる。それを叶えたくて彼らはみな理想を想像し、その想像が彼らを動かします。それが良い方向に転じる場合もあれば、悪い方向に転じることもあるのです」と語っている。
主演を務めるのは、『イングロリアス・バスターズ』や『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』などのハリウッド映画にも多く出演し、『ジュリアン』ではセザール賞主演男優賞にノミネートされたドゥニ・メノーシェ。不倫をされる夫・ミシェルを演じた。そして、ダンサーから役者に転身し、本作で東京国際映画祭最優秀女優賞を受賞したテレスキウィッツは、まさかというタイミングでミシェルと関わり合う、マリオンを演じた。
ドミニク・モル監督 コメント(全文)
コラン・ニエルの原作を読み、このユニークな設定をすぐ映画化したいと思いました。物語は猛吹雪の夜に行方不明になったある女性の謎の失踪事件を軸に、それぞれ秘密を抱えた5人のキャラクターを中心にした5つのストーリーが展開していきます。いかにそれぞれが絡み合い、補い合い、かつ、矛盾しているか。彼らがどう紐づいていて、失踪事件の真相は一体何なのか、この謎めいた世界観に、読んでいて好奇心がどんどん掻き立てられました。原作を3分の2くらいまで読み進むと、物語の舞台が雪で覆われたフランスの山間の町から、突如、灼熱のアフリカに移り、驚かされました。私たちにとって物語の中心は、失踪事件の真相解明ではなく、登場人物たちと、彼らが取ってきた行動を通して彼らがそれぞれどんな夢を抱き、どんな世界に生きているかを描くことにあるのです。本作は5つの「愛」の物語で構成しています。誤解や秘密、妄想、失望、幻滅から生じたフラストレーションの溜まった非対称の愛の物語です。どのキャラクターも愛したい、そして愛されたいという衝動にかられて行動しています。愛を求め、愛を信じ、愛を分かち合い、愛に生きる。それを叶えたくて彼らはみな理想を想像し、その想像が彼らを動かします。それが良い方向に転じる場合もあれば、悪い方向に転じることもあるのです。
■公開情報
『悪なき殺人』
12月3日(金)新宿武蔵野館ほか全国順次公開
12月4日(土)デジタル公開
監督:ドミニク・モル
出演:ドゥニ・メノーシェ、ロール・カラミー、ダミアン・ボナール、ナディア・テレスキウィッツ
配給:STAR CHANNEL MOVIES
2019年/116分/カラー/シネスコ/5.1ch/R15+/フランス語、ヌシ語/フランス、ドイツ合作/原題:Seules les Bêtes/英題:Only the Animals/日本語字幕:高部義之
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