『彼女はキレイだった』正体を隠した恋は果たして実るのか? 過去の恋愛ドラマから探る

『かのきれ』正体を隠した恋は実るのか?

 同じように本当の自分の正体(オタク)を隠して恋に奮闘した男の物語『電車男』(フジテレビ系/2005年)も、嘘をつく男が無理というエルメスこと沙織(伊藤美咲)に、電車男こと剛司(伊藤淳史)が嘘を重ねていった結果、ついにバレた時「信じてたのに」と泣かれ、「私たち、もう会わない方が良いと思う」と別れまで告げられてしまった。沙織も剛司に惹かれていたし、その正体が「オタク」ということはさほど問題ではなく、ここで問題だったのはやはり“嘘をついたこと”だった。剛司の懸命な働きによってなんとか仲直りするも、最終回目前で掲示板に自分のことが書かれていたことを知り、再び彼は「もう私の前に現れないで」と拒絶されてしまった。共通して、隠していた正体がたとえ何であろうと、やはり“裏切られた”と感じた相手は素直にそれを受け止めることができないというのが、こういった過去の恋愛ドラマで描かれてきたのだ。そう考えたとき、『彼女はキレイだった』がますますこわいことになってくる。

 最初から実はわかっていたパターンなら、これまでのドラマを振り返っても問題がなさそうだ。なんとなく、すでに宗介は愛が本当の佐藤愛なのではないかと勘づいてきている。そして8月24日放送の第7話の予告では、そんな彼女に告白をしている様子も。しかし、このとき愛が愛とわかって告白しているのか、別人として告白しているのかが重要だ。いまだに隠され、少し経ってから本物だったと気づいたとき、たとえそれがずっと好きな相手だったとしても宗介は「裏切られた」と感じ、戸惑うのではないだろうか。そして、梨沙の方も最初は流れで言い出せなかったと弁明できる範疇だったものの、すでにそれを超えて意識的に自分が愛だと嘘をつき、重ねるところまで来てしまった。いずれ真実が明かされた時、宗介は愛の親友でもある梨沙を許すことができるのだろうか。

 正体を隠した愛と梨沙、バレるのも時間の問題なこの二人が払う代償と宗介の反応が気になる一方である。

■放送情報
『彼女はキレイだった』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜21:00〜放送
出演:中島健人、小芝風花、赤楚衛二、佐久間由衣、高橋優斗(HiHi Jets/ジャニーズJr. ※「高」ははしごだかが正式表記)、宇垣美里、寒川綾奈、村瀬紗英、山田桃子、LiLiCo、木村祐一、菅原大吉、本多力、片瀬那奈ほか
原作:『彼女はキレイだった』(c)MBC/脚本 チョ・ソンヒ
脚本:清水友佳子、三浦希紗
音楽:橋本由香利
主題歌:Sexy Zone「夏のハイドレンジア」(Top J Records)
オープニング曲:Awesome City Club「夏の午後はコバルト」(cutting edge)
演出:紙谷楓、木下高男、松田祐輔
プロデューサー:萩原崇、芳川茜、渋谷英史
制作:カンテレ、共同テレビ
(c)カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/kanokire/
公式Twitter:@kanokire
公式Instagram:@kanokire.tue21
長谷部宗介 by 中島健人Instagram:@k.n_sosuke.hasebe

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