『スザンヌ、16歳』に詰まったフランス映画の醍醐味 小柳帝が作品の背景を解説

『スザンヌ、16歳』を小柳帝が解説

 ここで、トークはキャストの話題へ。主人公の恋の相手役を演じるアルノー・ヴァロワは、『BPM ビート・パー・ミニット』(2018年)を観たスザンヌ・ランドン本人のオファーにより起用が実現。また父親役のフレデリック・ピエロについては「『17歳』(2013年)で演じている義父役が、今作と近いっていうのもあるのかな」といい、母親役のフロランス・ヴィアラについては、スザンヌの実母であるサンドリーヌ・キベルランと『愛しのベイビー』(2019年)で共演経験があることも、起用理由になっているのではと分析。姉役のレベッカ・マルデールについては、フランスを代表する劇団コメディ・フランセーズに、最年少で入団した注目度の高い女優だと話した。

 さらに、「演出家役を務めていたのは、実はフランスの大きな事務所でエージェントなどをやっている人。俳優でもあるが、映画の裏方の世界においてフランスではめちゃくちゃ有名な方」と熱を込め、「そういう大人たちに、温かく見守られながら作っている部分もある」と語った。

 上映時間は77分と決して長くはないが、「その中に自分の好きなもの、思いを込めている。去年亡くなってしまった、彼女が大好きだったクリストフの曲を使っていたり、ヴァンサン・ドレルムというシンガーソングライターに体当たりで『自分の映画音楽を書いてもらえないか』と頼み、ヴァンサンがそれを引き受けていたり。最後に流れた曲は彼女が歌っているのですが、それはヴァンサンが彼女にプレゼントしたもの」と、あらためてスザンヌ・ランドンのこだわりが反映された作品であることを解説。「作品自体は爽やかにサラッと観ていただけると思うが、細かく言うと、こうやっていろんな要素が詰まっている。フランス映画の良さを感じていただける、導入にもなる作品」と期待を寄せた。

■公開情報
『スザンヌ、16歳』
全国順次公開中
監督・脚本:スザンヌ・ランドン
出演:スザンヌ・ランドン、アルノー・ヴァロワ、フレデリク・ピエロ、フロランス・ヴィアラ、レベッカ・マルデール
編集:パスカル・シャヴァンス
音楽:ヴァンサン・ドレルム
配給:太秦
2020年/フランス/73分/原題:16 Printemps(Seize Printemps)
公式サイト:suzanne16.com



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