伊藤万理華、金子大地らの好演光る 『サマーフィルムにのって』で青春に想いを馳せる

『サマーフィルムにのって』で夏を楽しむ

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、山より海派の島田が『サマーフィルムにのって』をプッシュします。

『サマーフィルムにのって』

 暑い日々が続いています。学生時代を振り返ってみると、“夏になったらどこ行くか”話で盛り上がったものです。プール、祭、いっそ海外に行ってしまおうか……。今年はこんなご時世もありますが、何より自身の体力の衰えによるものなのか、インドア派が加速しています。

 そんな自分にレモンスカッシュばりのフレッシュな爽快感をもたらしてくれた映画が『サマーフィルムにのって』。時代劇を溺愛する女子高生・ハダシが、タイムトラベルしてきた未来人の凛太郎との出会いから、仲間とともに時代劇制作に挑むという設定です。あらすじだけ読むと一風変わった作品にも思えますが、誰しもが焦がれる王道青春映画です。設定の奇天烈さに違和感を感じないのはやはり、劇団ロロの三浦直之さんと松本壮史監督による脚本によるところが大きいように感じます。

 三浦さんといえば、劇団ロロでの活躍はもちろん、近年『腐女子、うっかりゲイに告る』(NHK)や『有村架純の撮休』(WOWOW)などドラマジャンルでも活躍しています。ちなみに本作の松本壮史監督・脚本、三浦さん脚本、伊藤万理華さん主演という座組は、TOKYO MXドラマ『ガールはフレンド』でも実現しています。

 『いつ高』シリーズ然り、“青春”というものにずっと向き合ってきた三浦さんの、ふとした拍子に切なさやポエジーが顔を出す脚本の力強さが、本作の普遍性に繋がっているのではないでしょうか。楽しさや明るさだけでなく、大人になりつつある時期だからこそのビターな感覚を描けるのは学園青春映画の特権です。97分というランニングタイムもベスト! まるで高校時代のような短くも濃い時間を体感させてくれます。

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