『ボク恋』の魅力は中川大志の“豊かな表情”にあり　『なつぞら』『LIFE！』などから紐解く

　現在公開中の映画『犬部！』では、動物保護サークル「犬部」を設立する獣医学部生・花井颯太（林遣都）の同級生・柴崎涼介を演じ、花井とともに「殺処分ゼロ」を目指す青年を演じた。心優しい柴崎は、どんな状況でも諦めない熱血な主人公とは異なる方法で動物のためにひた走るが、命と真摯に向き合う中で挫折感を味わうことに。動物たちを守りたい思いが強い分、自身の無力さを痛感し、絶望する柴崎は見ていてとてもつらかった。

　そして『ボク恋』である。丈一郎の仇を討つために決心する強い眼差しには、丈一郎を失った悲しみと鳴宮美月への怒りがこもり、力強い圧を感じさせる。しかし優しすぎる性格が災いし、何度も鳴宮美月を殺すどころか助けてしまう展開に。間の悪さに慌てふためく姿や“暗殺ターゲット”をなかなか殺せない自分にツッコミを入れる際の表情は、『LIFE！』で得た笑いのセンスがふんだんに盛り込まれているように感じる。

　一方で、スーツに身を包むシーンや「デス・プリンス」こと八乙女流星（鈴木伸之）との戦いに興じる際の真剣な眼差しは凛々しく、鳴宮美月が葵だと確信してからは「彼女を守りたい」気持ちが葵に対する所作から溢れ出ている。第4話では、意識を失った美月を助けるために奮闘。ネット上では口移しで薬を飲ませるシーンが「美しすぎるキスシーン」として話題になっていたが、その後、必死な思いで「君は誰なんだ？」と問いかける柊の姿も、葵をこれ以上危険な目に遭わせたくない彼の優しい思いが感じられるもので、印象に残っている。

　元々爽やかな笑顔や芯のある眼差しが印象強い俳優だと感じていたが、中川の笑顔も眼差しも作品や役柄に沿って繊細に表現されたもので、それぞれ異なる表情を見せてきたのだと思い知らされる。『ボク恋』秘密編で真相に近づくにつれ、柊の心境はより複雑なものになるだろう。中川が見せる表現の幅もグッと広がるはずだ。第5話以降の展開に期待が高まる。

■放送情報
『ボクの殺意が恋をした』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30～23:25放送
出演：中川大志、新木優子、鈴木伸之、田中みな実、中尾明慶、永田崇人、小西はる、水野美紀、藤木直人
脚本：徳永友一ほか
監督：星野和成、宝来忠昭
チーフプロデューサー：岡本浩一
プロデューサー：中間利彦、小島祥子、石田麻衣（ホリプロ）
共同プロデューサー：三上絵里子（日本テレビ）
制作協力：ホリプロ
制作著作：読売テレビ
(c)読売テレビ
公式サイト： https://www.ytv.co.jp/bokukoi/
公式Twitter：https://twitter.com/bokukoi_drama
公式Instagram：https://www.instagram.com/bokukoi_drama
公式LINE：https://lin.ee/kniUOAg
公式TikTok：https://vt.tiktok.com/ZSJqk4KTo/

■公開情報
『犬部！』
全国公開中
出演者：林遣都、中川大志、大原櫻子、浅香航大、田辺桃子、安藤玉恵、しゅはまはるみ、坂東龍汰、田中麗奈、酒向 芳、螢雪次朗、岩松了
監督：篠原哲雄
脚本：山田あかね
原案：片野ゆか『北里大学獣医学部 犬部！』（ポプラ社刊）
主題歌：Novelbright「ライフスコール」（UNIVERSAL SIGMA / ZEST）
配給：KADOKAWA
(c)2021『犬部！』製作委員会
公式サイト：inubu-movie.jp