『ボク恋』の魅力は中川大志の“豊かな表情”にあり 『なつぞら』『LIFE!』などから紐解く

『ボク恋』中川大志の“豊かな表情”

 『ボクの殺意が恋をした』(日本テレビ系、以下『ボク恋』)では物語の第二幕ともいえる「秘密編」が始まる。主人公・柊(中川大志)の育ての親・丈一郎(藤木直人)を殺した人物や柊の初恋相手である葵(新木優子)がなりすましていた鳴宮美月の正体とは? 嘘と秘密が絡み合い、新たな脅威が柊と葵に襲いかかったりと、サスペンス色も色濃くなる本作で、やはり魅力的なのは中川の豊かな表情だ。最高に“間が悪い”殺し屋が繰り広げるクスッと笑える展開や柊と葵の恋路、ハラハラする展開には、中川大志の演技が欠かせない。

 これまで中川が演じてきた役柄は、本作で見せる数多の表情の基盤のように思える。

 朝の連続テレビ小説『なつぞら』(NHK総合)では、広瀬すず演じる主人公・なつの同僚で、のちに夫となる坂場一久を演じた。アニメーションの演出を担当する坂場は気難しい性格で度々なつたちを困らせる。中川自身も公式インタビューで「役柄をつかんで軌道にのせるまでに時間がかかりました」と話しているが、何を考えているのか分かりにくく、周りともうまくいかないことが多い一方、真面目で、アニメーション制作への情熱が感じられるキャラクターを見事に演じきった。

『ボクの殺意が恋をした』(c)読売テレビ

 映画やドラマの演技とは少し異なるかもしれないが、中川は『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』(NHK、以下『LIFE!』)に、2017年から準レギュラー、翌年からレギュラーとして出演。中川が『なつぞら』で演じた坂場は、周囲との調和の取れなさから独特の間を生み出していたが、『LIFE!』で中川はコントならではの笑いの間をつかみ、コメディセンスを培ってきた印象だ。

 もちろん中川が見せるのはコミカルな演技だけではない。『G線上のあなたと私』(TBS系)で中川が演じていた加瀬理人は、兄の元婚約者に想いを募らせる大学生だ。彼は無愛想で理屈っぽく、波瑠演じる主人公・也映子らにツンとした態度を取るが、自分の恋愛には臆病で不器用。だが物語を追うごとに也映子への思いが変化していき、也映子に向ける眼差しに優しさやあたたかさが感じられるようになる。その繊細な演技によって、彼らの恋愛模様にやきもきした気持ちになった視聴者も多かっただろう。



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