初登場6位『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』 文句なしの続編なのに苦戦

『クワイエット・プレイス』続編が興行で苦戦

 先週末の動員ランキングは、『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』が土日2日間で動員16万8000人、興収2億3300万円をあげて初登場1位に。オープニング3日間の累計では動員21万5923人、興収2億9735万円という数字。これは2019年6月に公開された『ザ・ファブル』から興収比で約25%ダウンという成績になる。当初、今年の2月に公開予定だった本作。年明けの緊急事態宣言(何回も出ているので、何回目だったか調べる気力もなくなりました)を受けて公開の2週前に約4ヶ月の公開延期がバタバタと決まったわけだが、プロモーション・プランの狂いも含め、その影響は少なからずあったに違いない。

 さて、公開延期ものの実写日本映画といえば、東京オリンピック開催直前のムードを当て込んで、2020年6月に公開予定だった『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』が、オリンピックの延期とピッタリ歩みを合わせて、1年の公開延期を経て先週末に公開されたわけだが、全国334スクリーンで公開されながらオープニング3日間の動員が5万2741人、興収が6898万2130円で初登場9位という、ちょっとゾッとするような数字を出している。もっとも、この作品に関してはあまり同情する気になれないのは自分だけだろうか。

 低調なのは実写日本映画の新作だけじゃない。先週末公開されて初登場6位となった『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』の成績は動員7万2657人、興収1億765万4450円。これは、2018年9月に日本公開された前作『クワイエット・プレイス』の成績との興収比で約28%ダウンという成績。しかも、前作は194スクリーンでの公開だったのに対して、今作は325スクリーンでの拡大公開。1スクリーン当たりの空き具合でいうと、前作から半減以下ということになる。

 『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』もまた、新型コロナウイルスの影響によって一度公開延期になってようやく公開に漕ぎつけた作品だが、これは苦戦している理由がそれなりに推測できる『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』や『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』と比べても、かなり深刻な事態だと自分は考えている。

 アメリカでは、都市部でも映画館の営業が再開した後の5月28日に公開された『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』は、オープニング興収約5700万ドルという前作を大きく上回る大ヒットを記録して、ポスト・パンデミック時代の到来を告げる象徴的な作品となった。今作の日本での低調なスタートは、その熱が一般層にまったく伝わっていないどころか、前作に興奮した人たち(ストリーミング・サービスなどで見た人も含めると、その母数は膨大にいるにもかかわらず)にさえ情報自体がちゃんと届ききっていないことを示唆しているのではないだろうか。

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