『ナイト・ドクター』北村匠海が“成長”を体現 チームのバックグラウンドが次第に明らかに

『ナイト・ドクター』北村匠海が成長を体現

 患者に襲われた美月(波瑠)を助けようとして、腕に怪我を負ってしまった桜庭(北村匠海)。すると後日、桜庭の母親で「あさひ海浜病院」を運営する柏桜会の会長・麗子(真矢ミキ)が救命救急センターを訪れ、桜庭にいますぐ辞めて留学するよう告げる。麗子の意向に同意する本郷(沢村一樹)にショックを受ける桜庭。そんななか、救急搬送されてきた患者が処置もむなしく亡くなってしまう。その患者は無保険で、それが理由で病院に行こうとせずに手遅れになった可能性が。そしてさらに、くも膜下出血で運ばれてきた患者も無保険を理由に手術を拒むのである。

 7月5日に放送された『ナイト・ドクター』(フジテレビ系)第3話。第1話では深澤(岸優太)に、第2話では美月にフォーカスが当てられてきたこのドラマだが、今回は桜庭の番だ。深澤と同じく“ポンコツ”扱いされていた桜庭が、実はサラブレッドであることが判明する。どうやら7月の最終週と8月の第1週にはオリンピックの放送が予定されているために2週にわたって放送休止になるようで、それまでにナイトドクターチームの5人全員のバックグラウンドを描く物語が展開するという流れになるのだろう。

 第1話から、勤務中に心臓を押さえながらトイレに駆け込み、薬を飲んで落ち着こうとする姿が描かれていた桜庭(第2話でその薬が免疫抑制剤と抗不安薬などであることがわかる)。今回のエピソードでは桜庭本人の口から心臓の持病について語られたり、指導医である本郷とは昔からの知り合いであり憧れの存在でもあることなど、“ポンコツ”としてではない桜庭の表情がいくつも見え隠れする。また第1話で桜庭が美月の忘れ物から何かを見つけるシーンが描かれたが、今回成瀬(田中圭)は美月の部屋でドナーに宛てた手紙を見つけ、筆跡が桜庭のものであると気付く。どうやら桜庭の心臓には美月の母親の心臓が入っているという線で間違いなさそうだ。

 体力面や感染症への抵抗力の問題などからナイトドクターとして働き続けることを心配する主治医に対し、桜庭は「このままやりたいことをやれないまま毎日を過ごすのは嫌なんです」と語る。そして美月から貸してもらったテキストでスキルを学び、手を震わせながらも患者の命を救う。本郷から褒められることで自信を持ち、自分が救命医になりたいという思いを母親にぶつけていく。ひとつのエピソードの中で目に見えて成長を遂げていく桜庭。それはまさに、美月のセリフにもある「生まれた時点である程度決まっている運命」に折り合いをつけながら、一歩ずつ成長していくことで初めて運命が変わることを体現する、ストレートなメッセージといえよう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる