『終末のワルキューレ』でも絶妙なバランスを表現 ブリュンヒルデ役・沢城みゆきの手腕

 彼女がこれまでに演じてきた名演やピッタリと似合うキャラクターは人それぞれにあるとはおもうが、彼女の声色が遺憾なく発揮されるのは、いわゆる大人な女性キャラのときだろう。このイメージに紐づくキャラクターといえば、2011年以降演じ続けている『ルパン三世』の峰不二子をはじめ、『PSYCHO-PASS サイコパス』の唐之杜志恩、『賭ケグルイ』の桃喰綺羅莉、もちろんブリュンヒルデもそのイメージにピタリと合う。

 強い圧をかけながら口汚く暴言を吐いていくといえば、沢城が『Fate』シリーズで演じるモードレッドを思い浮かべる方も多いだろう。だが、ブリュンヒルデは彼女ほどに強い圧をもって罵倒するわけではなく、内に秘めた嫌悪感が滲み出てくるような演技になっている。怒りを発するときにも、沢城の甘めな声色がうまく作用し、どこか品の良さがついてまわる、ブリュンヒルデの高貴さと荒々しさをともに表現することができているといえよう。

 1クール12話まで続いた本作、原作漫画は継続中ということもあり、続編となる第2期も十二分にありうるだろう。2021年6月現在ではブリュンヒルデが最終闘争に参加するようなストーリー展開にはなっていないが、仮に彼女が最終闘争や場外での戦いに加わったとき、沢城がどのような演技をするだろうか、今後の展開がとても気になるところだ。

<参照>
※1:https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1624336175

■草野虹
福島、いわき、ロックの育ち。『Belong Media』『MEETIA』や音楽ブログなど、様々な音楽サイトに書き手/投稿者として参加、現在はインディーミュージックサイトのindiegrabにインタビュアーとして参画中。Twitter

■配信情報
『終末のワルキューレ』
Netflixにて全世界独占配信中
Netflix作品ページ:https://www.netflix.com/jp/title/81281579

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる