10周年記念イベントで「MAPPA」が米国トレンド1位に 『チェンソーマン』海外の反応は?

『チェンソーマン』海外で人気爆発

 6月27日に開催されたアニメスタジオMAPPAの10周年を祝う記念イベント「MAPPA STAGE 2021」。約5時間にわたり、会場でのゲストを迎えたトークや新作アニメの情報解禁などが行われ、その様子はYouTubeでもライブ配信された。ライブ配信中のコメント欄には日本人のコメントよりも海外のファンのコメントの方が圧倒的に多く、それだけでもMAPPAが世界中から支持されているスタジオであることがうかがえた。特にアメリカでは「MAPPA」がトレンド1位になるほどの人気っぷり。

MAPPA『10th Anniversary Movie』

 今回、特に海外ファンが注目したのは、『呪術廻戦』『進撃の巨人 The Final Season』、そしてアニメ情報初解禁となる『チェンソーマン』だ。『呪術廻戦』の海外人気は凄まじいもので、特に戦闘シーンの作画の滑らかさとスピード感などが、作品ファンがMAPPAを愛する理由として挙げられていた(参考:アニメ・オブ・ザ・イヤー受賞の『呪術廻戦』 海外アニメファンはどう見ている?)。その期待は、これまでの1期から3期をWIT STUDIOが制作していた『進撃の巨人』の4期をMAPPAが変わって担当することになったことへも向けられている。今回イベントのストリーミングには英語字幕などが一切なかったものの、日本語のわかるファンがコメント欄で登壇者の情報など英語で補足解説をしていた。また声優の登壇時はその声色から誰がどのキャラクターを担当しているのかがわかるファンも多く、『呪術廻戦』ステージでは主人公の虎杖悠仁役の榎木淳弥、伏黒恵役の内田雄馬、釘崎野薔薇役の瀬戸麻沙美が登壇するたびにキャラ名の弾幕が流れるほど。しかし、そんな2作の人気も優に超え、まさに海外ファンにとって一番の目玉となっていたのは『チェンソーマン』。この人気っぷりは、他作品と比べて“異常”なのだ。

 というのも、従来海外で人気を博してきた作品の多くはアニメというメディアで親しまれてきた。アニメから入ったファンが原作漫画を買うのがこれまでの流れだったわけだ。それが「ICv2」という小売店向けのギークカルチャーを扱う媒体が公表した2021年3月の成人向けのグラフィックノベルの売り上げトップ20を見ると、第1位に輝いたのが『チェンソーマン』第1巻なのである。先日、北米における日本のマンガ・アニメの翻訳出版を行う企業ビズメディアの発表したコミック売り上げランキングも堂々の1位を獲得し、アニメ化がまだされていない作品としては異例の快挙となっている。ちなみに「ICv2」の売り上げトップ20には、『僕のヒーローアカデミア』『鬼滅の刃』『進撃の巨人』『地縛少年花子くん』『約束のネバーランド』『ハイキュー!!』『SPY × FAMILY』、そして『呪術廻戦』が名を連ねている。

 この作品の並びからもわかるが、特にジャンプコミックスは多国語で翻訳されていて各国で入手しやすい。そしてコロナの流行で日本の漫画の新規読者が増える傾向が続いており、売り上げの多くが人気作の第1巻であったのも印象的だ。『鬼滅の刃』のヒットもあってからアニメ化される前の単行本をチェックする人が増えている可能性もありえる。

 チェンソーの悪魔・ポチタとともにデビルハンターとして暮らす少年・デンジ。親が残した借金返済のためド底辺の日々を送る中、デンジはポチタと契約し、悪魔の心臓を持つチェンソーマンとして蘇り、世の悪魔を狩るダークヒーローとなる。藤本タツキ原作の『チェンソーマン』がMAPPAで制作開始されることがアナウンスされたのは、『呪術廻戦』の放送期間中のこと。海外アニメファンのMAPPA熱が熱いうちの発表に当時からティザー映像やビジュアル、声優情報を心待ちにしていたファンは配信イベントでも「チェンソーマンを早く!」というコメントを多く寄せ、若干荒れてしまう事態に。海外ファン同士が「マナーを大切に」と嗜め合う中、ようやく映像が流れると一斉に「WOOF WOOF」と犬の鳴き声がコメント欄を埋めつくす。興奮のあまり、みんな(マキマの)犬になってしまったようだ。

TV‌ア‌ニ‌メ‌『チェ‌ン‌ソー‌マ‌ン』‌ティ‌ザー‌PV‌

 その後、YouTubeで個別に公開された動画のコメント欄も海外ファンからの声が多く、「5時間待った甲斐があった」とイベントを振り返るもの、主人公のデンジをはじめとする早川家の日常シーンに感動するもの、原作にはないビーチのシーンや公安所属の早川アキと姫野のベッドシーンなどからオリジナルエピソードを期待するもの、デンジの上司マキマの色気にやられるものなどが多く見受けられた。なかには「はやく動く“コベニカー”が観たい」というネタコメントまであり、公安メンバーの東山コベニというキャラクターがいかに海外でも愛されているかがわかる。

 世界中のファンとともに、アニメの放送日や声優情報などこれからも新情報の発表を楽しみたいところだ。

■アナイス(ANAIS)
映画ライター。幼少期はQueenを聞きながら化石掘りをして過ごした、恐竜とポップカルチャーをこよなく愛するナードなミックス。レビューやコラム、インタビュー記事を執筆する。InstagramTwitter

■作品情報
『チェンソーマン』
原作:藤本タツキ(集英社ジャンプ コミックス刊)
監督:中山竜
脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:杉山和隆
アクションディレクター:吉原達矢
チーフ演出:中園真登
悪魔デザイン:押山清高
美術監督:竹田悠介
色彩設計:中野尚美
画面設計:宮原洋平
音楽:牛尾憲輔
アニメーションプロデューサー:瀬下恵介
制作:MAPPA
(c)藤本タツキ/集英社・MAPPA
公式サイト:https://chainsawman.dog/
公式Twitter:@CHAINSAWMAN_PR



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