本田翼、町田啓太ら4人の男女に共感 『嘘から始まる恋』は今ならではのラブストーリー

『嘘から始まる恋』本田翼×町田啓太らに共感

 実際にはカリスマ店員でもなければ売り上げ不振で会社をクビにされたのにもかかわらず、バイヤー研修の声がかかっている中自分から会社を辞めたという苦し紛れの嘘を重ねる友里の姿に苦虫を噛み潰したような気持ちになるのは、自分の中に彼女のような一面を見つけてしまうからではないだろうか。誰も一方的に彼女の虚勢を批判できないはずだ。

 一度スマホを開ければ、そこには充実した生活を送る“何者かになった”“成功した”人たちのキラキラした暮らしぶりが手にとるように覗き見られて、そこで求められるのは“何者かになろうと足掻く過程”ではなく、“何者かになった後の結果”のみだ。誰も、「頑張ってることがあるってすごいことだよ」なんて言葉をかけてはくれない。商社マンの後輩だと思っていたが実際にはカフェ店員のバイトをしている晴彦(神尾楓珠)のように「それってすごいことだよ。俺には頑張りたいこともないから」なんてことを言ってくれる人はなかなかいないのだ。

 本作を観て気づかされるのは“嘘”というのは“他人のために”“他人に対して”つくものよりも、圧倒的に“自分を守るため”“自分に対して”つくことの方が圧倒的に多いということだ。醜い自分の本心に蓋をしてしまうために、情けない自分を認めたくはないから。自分の本音を悟られて相手に嫌われてしまうのが怖いから。

 自分が納得した形での幸せを掴むためには、まずはそもそも自身の心の声に耳を傾け“自分にとっての幸せ”が何なのか、その輪郭を把握することこそ一番の近道になりそうだ。その上で、“幸せにしてもらう”なんて受け身ではなく、互いに人生をクリエイトしていこうと自分から踏み出す“一歩”の先にこそあるものなのだろう。

■佳香(かこ)
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好き。Twitter

■配信情報
スペシャルドラマ 『嘘から始まる恋』
Huluにて配信中

Huluオリジナルストーリー『嘘つき達のホンネ編』
Huluにて独占配信中

出演:本田翼、町田啓太、山本舞香、神尾楓珠、袴田吉彦、岩岡徹(Da-iCE)ほか
監督:新城毅彦
脚本:杉原憲明 松田沙也
チーププロデューサー:池田健司
プロデューサー:植野浩之、畠山直人、岩崎広樹、森田美桜(AOI Pro.)
制作協力:AOI Pro.
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/usokoi /
公式Twitter:@usokoi_ntv
公式Instagram:@usokoi_ntv

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる