アニメ『恋きも』は「火曜10時枠」好きこそ観てほしい 不器用な登場人物たちの“尊さ”
ドラマ界でも一時期は減少傾向にあった恋愛ドラマが、『逃げるは恥だが役に立つ』を皮切りにTBS火曜10時枠に放送された『恋はつづくよどこまでも』や『この恋あたためますか』などのヒットにより、再び盛り上がりを見せている。今期は特に『着飾る恋には理由があって』(TBS系)や『恋はDeepに』(日本テレビ系)など、恋愛ドラマが豊作。その作品に登場する誰もが亮や一花のように不器用で、簡単にはくっついてくれない。けれど私たちは2人が思い合っていることを知っているから、安心して見守ることができるのだ。こうした作品が求められる背景には、ドラマを観ている時くらい、ある種“非日常的”な幸せに浸っていたいという視聴者の心理が見え隠れする。
くっつきそうでくっつかない2人の恋に“むずキュン”したい。そんな方にぜひ観てほしいのが、今回紹介した『恋と呼ぶには気持ち悪い』。亮を演じる豊永利行が本作の中山奈緒美監督から「“アニメ”ではなく“ドラマ”にしたい」という意向があったと語っているように(参照:コミックナタリー「TVアニメ「恋と呼ぶには気持ち悪い」特集 小坂井祐莉絵(有馬一花役)×豊永利行(天草亮役)対談」)、本作はかなりドラマに近い感覚でみることができ、特にドラマ好きな大人の女性や普段あまりアニメを観ない方、興味はあるけど何を観ていいかわからない方におすすめだ。
■苫とり子
フリーライター/1995年、岡山県出身。中学・高校と芸能事務所で演劇・歌のレッスンを受けていた。現在はエンタメ全般のコラムやイベントのレポートやインタビュー記事を執筆している。
■放送情報
『恋と呼ぶには気持ち悪い』
AT-Xほかにて放送中
声の出演:小坂井祐莉絵、豊永利行、長谷川玲奈、榎木淳弥、花澤香菜、木村良平ほか
原作:もぐす(comic POOL/一迅社刊)
監督:中山奈緒美
助監督:山田卓
シリーズ構成:柿原優子
キャラクターデザイン・総作画監督:藤田まり子
美術監督:三宅昌和
色彩設計:児玉尚子
撮影監督:松井伸哉
オフライン編集:渡邉千波
音響監督:小泉紀介
音楽:堤博明
音響制作:ソニルード/ブルームズ
音響スタジオ:AMGスタジオ
アニメーションプロデューサー:衣川徹
アニメーション制作:ノーマッド
プロデュース:斎藤俊輔
製作総指揮:夏目公一朗
製作:恋きも製作委員会
(c)もぐす・一迅社/恋きも製作委員会