映画のトリックを応用し完全犯罪を計画 中国サスペンス映画『共謀家族』7月16日公開決定
中国年間興収トップ10入り、21週トップ3入りを果たしたトリック・サスペンス『共謀家族』が7月16日に公開されることが決定した。
本作は、2013年にインドで大ヒットしたマヤーラム語の映画『Drishyam(原題)』を、2年後にヒンディー語でリメイクして再び大ヒットとなった『ビジョン』のリメイク作品。マレーシア出身で、台湾の大学で映画を学んだ新鋭サム・クァーが長編初監督作としてメガホンを取った。2020年中国年間興収第9位という大ヒットを記録したほか、先に出品された韓国・プチョン国際ファンタスティック映画祭では観客賞を受賞。日本では、「2020東京・中国映画週間」で上映され話題を呼んだ。
舞台は東南アジア、タイ。幼き日に中国からこの地に移り住んだリー・ウェイジエは、今は妻のアユー、高校生の娘ピンピン、まだ幼い娘アンアンの一家4人で幸せな毎日を送っている。インターネット回線会社を経営しているリーは、信心深く穏やかな人柄で、地域の誰からも好かれていた。『ショーシャンクの空に』が大好きなリーは、暇さえあれば事務所で映画ばかり観ている映画マニアでもあった。そんなある日、サマーキャンプに出掛けたピンピンが、そこで出会った不良高校生に睡眠薬を飲まされ、暴行の様子をスマホで撮られてしまう。ネットに動画を上げると脅されたピンピンは、自宅にやってきたその不良スーチャットと揉み合いになり、誤って彼を殺してしまう。スーチャットは、地区の警察局長の一人息子だった。出張から帰り、妻からすべてを聞かされたリーは、愛する娘と家族を守るため、完璧なアリバイ作りに着手する。常々「映画1000本も観れば、世界に分からないことなどない」と考えていたリーは、それまで観てきた映画のトリックを応用し、捜査の先の先まで読み尽くした完全犯罪を計画。警察の事情聴取に備え、妻子に想定尋問を繰り返すリーと家族との“共謀”の先には、予想もつかない結末が待っていた。
一家の父リーを演じるのは、シャオ・ヤン。本作の演技により「2020東京・中国映画週間」第5回ゴールドクレイン賞金鶴賞・最優秀主演男優賞を受賞。中国では歌手、俳優、監督、脚本家の顔を持つマルチタレントとして広く知られ、7月9日に日本公開される『唐人街探偵 東京MISSION』にも出演している。リーの妻アユーを演じるのは、『チィファの手紙』『薬の神じゃない!』のタン・ジュオ。そして、行方不明となった息子スーチャットの後を追うラーウェン警察局長役には、『ラストエンペラー』のジョアン・チェンが名を連ねた。ラーウェンは職権を濫用し、強引かつ冷酷な手段で捜査を進め、リーが仕組んだ完全犯罪を鋭く追及。罪を隠そうとする者、罪を暴こうとする者が、それぞれの愛する我が子のために知力を尽す頭脳戦が、この作品の大きな見どころになっている。そのほか、香港映画界の名脇役フィリップ・キョンとチョン・プイ、そして一家の長女ピンピン役でジョアン・チェンの次女オードリー・ホイが出演している。
■公開情報
『共謀家族』
7月16日(金)より新宿バルト9ほか全国順次公開
監督:サム・クァー
出演:シャオ・ヤン、タン・ジュオ、ジョアン・チェン、フィリップ・キョン、チョン・プイ
配給:インターフィルム/アーク・フィルムズ
2019年/中国/北京語、タイ語/カラー/1×2.38スコープサイズ/5.1ch/上映時間:112分/原題:誤殺/英題:Sheep Without a Shepherd
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