『レンアイ漫画家』向後から刈部への熱い想い 鈴木亮平と片岡愛之助の真摯で息の合った芝居

『レンアイ漫画家』向後から刈部への熱い想い

 あいこ(吉岡里帆)と刈部(鈴木亮平)の恋はようやく前進するかに見えた。だがネット上では刈部まりあの正体がバレ、大炎上という事態になってしまう。『レンアイ漫画家』(フジテレビ系)第9話では、刈部の漫画への熱い思いとともに、大きく成長した姿が描かれる。

 SNS上に正体を晒され、これまで女性のようなペンネームで漫画を描いていたことに非難が集中してしまった刈部。人生の全てを捧げてきた漫画の読者から裏切られたかのように感じた刈部は、部屋にひきこもるようになる。そんな状況から救い出したのは、担当編集の向後(片岡愛之助)だった。出会ってから二人で駆け抜けた日々を語り、刈部が何に苦しんでいるのかを見事に指摘する。そしてまた二人で歩き出せるようにと、熱いメッセージを送った。その言葉に突き動かされた刈部は、日本漫画大賞の授賞式に出席し、自らの口で思いを語ることを決意。実はこの騒動は、二階堂(眞栄田郷敦)とあいこの関係にやきもちを焼いて逆恨みした由奈(小西桜子)が仕掛けたものだった。自分を責め、刈部の前から姿を消そうとしていたあいこだが、日本漫画大賞のスピーチの場で、刈部はあいこにも感謝を述べる。二人の気持ちは再びしっかりと通じ合った。

 刈部が熱い思いを持って漫画と向き合っていることは、これまでもシーンの端々に描かれてきたが、第9話ではさらに踏み込み、刈部が人気漫画家になるまでの向後との軌跡が描かれる。

 向後が感じていた、「刈部が人として当たり前の幸せを手にすることで“変化”してしまうのではないか」という焦りが改めて炙り出され、これまで二人きりで走り抜けてきたからこその寂しさや喪失感が滲む。向後が抱えていた刈部への想いは、あいこの愛に負けないほどの“大恋愛”であった。

 さらに、向後の言葉に涙する刈部の痛々しい姿や、そんな刈部と向き合おうとする向後の熱い想いは、鈴木と片岡の真摯で息の合った芝居により命を吹き込まれた。心が動いていく様子がひしひしと伝わり、いつの間にか我々まで涙が溢れるような回となった第9話は、恋愛以外の部分でも大きく歩みを進める刈部の頼もしさも垣間見えただろう。

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