『オーバーロード』続編は『鬼滅』に匹敵する海外人気が後押し? “なろう”発アニメの現在地

 5月8日、アニメ『オーバーロード』の続編に関する発表が行われた。その内容は、TVアニメ第4期『オーバーロードIV』と新作劇場版となる「聖王国編」の制作というもの。2018年の第3期終了以来久々の報ということもあってかファンは沸き、発表の前後には「オーバーロード4期」というワードがTwitterのトレンド入りも果たしていた。この機会に『オーバーロード』という作品について、そして同作と関わりのある“なろう”系アニメの現在を確認しておこう。

『オーバーロードIV』公式サイトより

 そもそもアニメ『オーバーロード』は、とあるゲームのサービス終了時に骸骨姿のアバターのまま異世界へ転移してしまった主人公・アインズの活躍を描くダークファンタジーだ。丸山くがねによる原作小説はいわゆる“異世界転生”系としては『転生したらスライムだった件』や『Re:ゼロから始める異世界生活』といった大ヒット作と並ぶ人気作で、TVアニメも2015年を皮切りに第3期まで制作されている。

 その人気の要因はいくつかあるが、そのひとつにキャラクターの個性の強さがあるだろう。例えば前述したように主人公であるアインズの見た目は“骨”。アニメファンなら一度はその姿を見たことがあり、たとえ作品を未見であっても忘れないほどのインパクトに目を奪われただろう。さらにその“骨”が、自身を「アインズ様」と呼んで慕う強力な配下を率いて威風堂々と世界征服に乗り出す。その一方で元は平凡なサラリーマンであったことから内心はビビっているというギャップがユニークだ。

 またダークファンタジーが基調ではあるものの、ギャグ的な要素も強烈。アニメ第2期第5話ではリザード同士の交尾がじっくり描かれ(それを見たアインズはあんぐり)、第3期は第1話からお風呂シーンでフルヌードが披露される(ただし入浴するのは骨のアインズ)。

 こうした魅力を持つ『オーバーロード』の人気は国内だけに留まらない。一例を挙げると中国発の動画サイト・ビリビリ動画ではTV第1期と第3期が3.4億回、第2期が3.2億回再生され、さらにスピンオフのショートアニメ『ぷれぷれぷれあです』の再生数も多い。各シリーズは1クールアニメとしてはトップクラスの再生数であり、シリーズを合計すると余裕の10億再生オーバー。TVアニメ『鬼滅の刃』の6.6億再生を超えているという大人気ぶりだ。

 全世界で9000万人以上の会員を抱える大手配信サイトのCrunchyrollでも、シリーズを通じてユーザー評価が5点満点中4.6ととても評価が高い(すべて数字は6月初旬時点のもの)。近年、日本におけるアニメ制作で海外市場を無視することができなくなっている中、海外での人気が『オーバーロード』続編の制作を力強く後押ししたことは想像に難くない。

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