若葉竜也、古川琴音ら『街の上で』キャストが大躍進 TVドラマから作家性の強い映画まで 

若葉竜也ら『街の上で』キャストの大躍進

雪役の穂志もえか

 ここからは、女性陣4人の目覚ましい活躍を見ていこう。若葉演じる主人公・青の元恋人・雪に扮した穂志もえかは、『少女邂逅』(2017年)や『愛がなんだ』、本作を経て、『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』や岩井俊二監督の『8日で死んだ怪獣の12日の物語 -劇場版-』(2020年)、『花束みたいな恋をした』(2021年)に出演。現在は、『花束みたいな恋をした』と同じく坂元裕二が脚本を担当したドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(2021年/カンテレ・フジテレビ系)に出演している。

冬子役の古川琴音

 古書店で働く冬子を演じた古川琴音は、『凪のお暇』(2019年/TBS系)、NHK連続テレビ小説『エール』(2020年)、『この恋あたためますか』(2020年/TBS系)と話題のドラマに立て続けに出演。現在放送中のドラマ『コントが始まる』(日本テレビ系)では、菅田将暉、有村架純、神木隆之介、仲野太賀といった錚々たる面子と共にメインキャラクターに扮している。映画では仲野が主演した『泣く子はいねぇが』(2020年)、『花束みたいな恋をした』等に出演し、公開待機作『偶然と想像』(2021年)は、第71回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(審査員グランプリ)に輝いた。

町子役の萩原みのり

 青に自主映画の出演を依頼する学生監督・町子役の萩原みのりは、Amazonプライム・ビデオのオリジナルドラマ『賭ケグルイ双』に出演したほか、先日まで放送されていたドラマ『RISKY』(MBS系)では主演を務めた。直近では『37セカンズ』(2020年)、『ステップ』(2020年)、『アンダードッグ』(2020年)、『佐々木、イン、マイマイン』(2020年)、『花束みたいな恋をした』と話題作に出ずっぱり。過激な役柄にも果敢に挑戦しており、今後さらに活躍の幅を広げていくだろう。

イハ役の中田青渚

 若葉と約17分にわたるワンカット芝居に挑戦した中田青渚は、ドラマ『中学聖日記』(2018年/TBS系)や実写映画『恋は雨上がりのように』(2018年)、『見えない目撃者』(2019年)のほか、ドラマ『ここは今から倫理です。』(2021年/NHK総合)、『アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~』(2021年/テレビ東京系)に出演。公開順は前後したが、『街の上で』を経て『あの頃。』にも出演している。最新作は、浅野いにおの漫画を実写映画化した『うみべの女の子』(8月20日公開)だ。

 こうして見ると、それぞれがお茶の間で放送されるテレビドラマと、作家性が色濃く発揮されたミニシアター系作品にバランスよく出演していることがわかる。そして4人中3人が『花束みたいな恋をした』に出演しているというミラクル! 同作は公開14週目にしていまだ動員ランキングトップ10内にランクインしており、興行収入40億円も視野に入る大ヒットを記録。この作品に穂志・古川・萩原が集結している奇縁も、非常に興味深い。

 作品に関わるメンバーが成長すれば、コロナ禍の逆風にも対抗できる――。『街の上で』はその試金石となるかもしれない。引き続き、息の長い興行を期待したい。

■SYO
映画やドラマ、アニメを中心としたエンタメ系ライター/編集者。東京学芸大学卒業後、複数のメディアでの勤務を経て、現在に至る。Twitter

■公開情報
『街の上で』
新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋⾕ほかにて公開中
出演:若葉竜也、穂志もえか、古川琴音、萩原みのり、中田青渚、成田凌(友情出演)ほか
監督:今泉力哉
脚本:今泉力哉 、大橋裕之
音楽:入江陽
主題歌:ラッキーオールドサン「街の人」(NEW FOLK / Mastard Records)
配給:『街の上で』フィルムパートナーズ
配給協力:SPOTTED PRODUCTIONS
(c)『街の上で』フィルムパートナーズ
公式サイト:https://machinouede.com/
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