『おちょやん』いよいよ最終週へ 千代としてたくましく生き抜いた杉咲花

『おちょやん』いよいよ最終週へ 千代としてたくましく生き抜いた杉咲花

 『おちょやん』(NHK総合)が遂に最終週を迎える。主人公の竹井千代役を演じた杉咲花は第3週目に登場し、そこから最終週の22週に渡って、千代の18歳からクランクアップインタビューの写真で披露した白髪交じりの姿になるまで、1人の女性がたくましく生き抜く姿を熱演し続けた。

 杉咲の圧倒的な演技力については周知のことだが、脚本家・八津弘幸氏も公式インタビューで答えているように、本作での杉咲の役どころは「とにかく明るい」。

 ただ、ひたすらに能天気であけすけな人なんてそうそういないわけで、千代の人生には数々の困難が降りかかるが(それがためラジオドラマ「お父さんはお人好し」の脚本家・長澤誠(生瀬勝久)に“どないな人生を歩んできたんや”と一気に興味を引き出したほどだ)、その度に自身を鼓舞し、前に進んでいく。悩んだり迷ったりもするけれど“立ち止まる”ということをしない人だ。過去に固執したり、ひたすらに昔を回想することもなく、千代の口から「どうせ私なんて」といった類の恨みつらみや言い訳も聞いたことがない。

 「喜劇」というのはまさに人間の情けなさや人生の悲哀、滑稽さを描きながら、そんな中に光る一筋の「救い」を掬い上げ、クスッとできる笑いに変えて見せてくれる。千代がどんなに辛いことがあった日でも、その1日の終わりに亡き母親からもらったビー玉を月明かりにかざしながら言う「明日はきっとえぇ1日になる」「明日もきっと晴れやな」という自分や周囲への励まし、おまじない、言霊のように。人前で弱みを見せられない千代が、お芝居の中では台詞になぞらえて自身の本音や希望を言えるように。「喜劇」は正に演じる者、観る者ともに“自己救済”の側面が多分にある。

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