『桜の塔』は“価値観の違う正義”を描く 脚本・武藤将吾×演出・田村直己が明かす

『桜の塔』は“価値観の違う正義”を描く

『スカーフェイス』や『グッドフェローズ』と対極のドラマに

――岡田健史さん演じる富樫遊馬のプロフィールには「爽の部下だが、密かに想いを寄せるように」とありますが……。

田村:どんどん出てきますから(笑)。

武藤:溢れ出るくらい(笑)。

田村:岡田くんは刑事役が3回目ということで、役について悩んでいました。岡田くんが21歳で、役では25歳から30歳までを演じなければいけない。爽のことを真っ直ぐに見ている明るい富樫のキャラクターを岡田くんが盛り付けてくれました。我々の救いでもあるし、太陽になってくれています。可愛らしい真っ直ぐな富樫の性格が、これからどう歪んでいくのかにも楽しみにしてください。

――なぜ警察のトップを目指す作品を書こうと思ったのでしょうか?

武藤:このドラマを書こうと思ったきっかけに、まず“悪人がのし上がっていく話を作ろう”としたのが最初のスタートにありました。『スカーフェイス』や『グッドフェローズ』のような裏社会でのし上がっていく映画は多いんですけど、そことは対極で最も遠い存在の警察組織で悪い奴がのし上がっていく話は観応えがあるのかなと。一つのチャレンジとして面白いと思ったのが出発点でした。なぜのし上がろうとするのか、その意味がこれから描かれていくので、そこは観て判断していただきたいですね。

――『仮面ライダービルド』(テレビ朝日系)をはじめ、武藤さんの作品では「正義」が多く描かれています。

武藤:この物語自体が“正義ってこうあるべき”ということを子どもに伝えたくて書いたものなんです。その一方で、正義のあり方は人によって変わってくる。“正義ってなんだろう”と思った時に、正義の輪郭がはっきりしている警察という組織を逆説的に描くことがフィクションでやる意味があるなと思ったんです。人によって正義の価値観が違うというのがテーマになるのかなと思っています。

田村:キャラクターも一癖、二癖あるけど、いろんな形の正義を持った人を書いているのが面白いのかなと。価値観の違う正義という意味では、『仮面ライダー』もそういった大きなテーマがあるので。ターゲットは大人がメインなんですけど、ぜひ子どもたちにも観てほしいですね。

――今後、注目してほしいキャラクターはいますか?

田村:今、中盤戦を撮っているんですけど、千堂大善を演じる椎名桔平さんを見てほしいです。対比する正義と悪、ライバルとしての漣と爽の関係性の変化はもちろんですけど、中盤戦で「嘘……!?」っていうようなびっくりする展開が待っていますので。

■放送情報
『桜の塔』
テレビ朝日系にて、毎週木曜21:00~21:54放送
出演:玉木宏、広末涼子、岡田健史、仲里依紗、森崎ウィン、橋本じゅん、高岡早紀、光石研、吉田鋼太郎、椎名桔平、段田安則、渡辺大知、馬場徹、井本彩花、岡部たかし、小松和重、長谷川朝晴、駒木根隆介、小林優仁、関智一
脚本:武藤将吾
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:中川慎子(テレビ朝日)、中沢晋(オフィスクレッシェンド)
演出:田村直己(テレビ朝日)、星野和成、片山修(テレビ朝日)
制作協力:オフィスクレッシェンド
制作著作:テレビ朝日
(c)テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/sakuranotou/
公式Twitter:https://twitter.com/SakuranoTou_ex
公式Instagram:https://www.instagram.com/sakuranotou_tvasahi/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる