リアリティショーからハリウッド女優へ テラハ卒業後のローレン・サイの活躍に注目

女優としてのローレン・サイの魅力

2019年にアメコミ原作ドラマでハリウッドデビュー

 モデルとして世界中を飛び回っていたローレン・サイは2019年、『X-MEN』シリーズのスピンオフドラマ『レギオン』のシーズン3で、女優としてハリウッドデビューを果たす。

 彼女が演じたスウィッチは、タイムトラベルの能力を持つミュータントだ。彼女は主人公デヴィッドが設立したカルトに引き込まれ、その名前を与えられる。初登場回となったシーズン3の第1話では、戸惑う彼女を中心に物語が展開した。そしてその後のエピソードでもタイムトラベラーとして大活躍を見せ、ラストエピソードでは驚愕の正体が明かされる。サイは英語、中国語、日本語の3ヶ国語を駆使して、ミステリアスな雰囲気をもつスウィッチを演じ切り、この役は彼女にしか務まらなかったと思わせるハマりっぷりだ。

『モキシー ~私たちのムーブメント~』では主人公の親友役に

 そして2021年、ローレン・サイは『モキシー ~私たちのムーブメント~』に出演する。彼女が演じたのは、主人公ヴィヴィアンの幼いころからの親友クラウディア。メインキャラクターの1人である彼女は、フェミニズムにのめり込んでいくヴィヴィアンと少しずつ距離が空いていくのを寂しく感じながらも、ある事情から積極的に活動に参加できずにいる。親友とは楽しくおしゃべりできるが、ほかの人には壁を築いてしまう内気な女子高生をサイは見事に演じている。

 クラウディアは、クールな印象を与えるモデルとしてのサイのイメージからはあまり想像できない、地味で目立たない女の子だ。『レギオン』のスウィッチが個性的な服装で目を引いたことを考えても、これは女優として役の幅が広がった証拠だろう。いまのところ主だった出演作はこの2作だけだが、今後の活躍に期待したい。

 リアリティショーのスターからモデルとして躍進し、いまやハリウッド女優としても活躍するローレン・サイ。自身の望むアーティストとしての活動も続けており、今後ますます多くの場面で目にすることが増えていくだろう。『TERRACE HOUSE』の視聴者としては、卒業メンバーの活躍を見られるのはうれしいものだ。彼女には、ぜひ幅広いジャンルで活躍をつづけてほしい。

■瀧川かおり
映画ライター。東京生まれ、グラムロック育ち。幼少期から海外アニメ、海外ドラマ、映画に親しみ、10代は演劇に捧げる。

■配信情報
『モキシー ~私たちのムーブメント~』
Netflixにて独占配信中

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