『ブラックパンサー2』C・ボーズマンのカメオ出演は「ない」 プロデューサーが語る
昨年急逝した俳優のチャドウィック・ボーズマン。現在公開中の『21ブリッジ』でも主演を務め、広くはマーベル作品のブラックパンサー役で人々に親しまれた。そのため、彼が生前の時からプロダクションが進んでいた『ブラックパンサー2(仮題)』の行方が注目されている。彼の死を受け、物語の大幅な修正が行われた。それだけでなく、今年に入って現状としてチャドウィック・ボーズマンの代役を立てないこと、そしてCGで出演させることはしないということが製作陣やマーベル・スタジオ側から発表されている。そこに、改めて続編のプロデューサーであり、現在ディズニープラスにて独占配信中の『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』にも携わるネイト・ムーアがボーズマンのカメオ出演を否定する発言を米誌Vanity Fairにて語っている(参照:The Falcon and the Winter Soldier Producer Shoots Down Wild Cameo Rumor|Vanity Fair)。
「(『ブラックパンサー2』でのボーズマンの登場は)ありません。これだけは言えます。それは起きません。正直に言っていますよ。チャドが亡くなってしまったことは現実であり、私は彼を彼の演じたキャラクターと同じように愛していました。私たちは彼を続編に登場させるなら、とても慎重に、思慮深くする必要があります。なぜなら、彼はそれぐらい多くの人にとって、そして私たちにとって大事な人だから。なので、彼を『ブラックパンサー登場なるか!?』といったベイトのような使い方はしません。我々はそうしないし、彼は登場しない」
もはや、今のご時世ハリウッドでは亡くなった俳優ですら映画に出演しようと思えばできてしまう。生前のフッテージ、映画で使わなかった素材などを利用したり、似た俳優にCGを被せて再現したり。ボーズマンも例外ではなく、一作目やこれまでブラックパンサー役として撮映した時の映像は残っていたはずだ。代役は立てずともそれを利用し、カメオ出演のようにさせる可能性はあるのか、という問いに対して、ネイト・ムーアは改めて今回それを否定したというわけだ。
どうやら『ブラックパンサー2』は、すでにティ・チャラが亡くなった後の設定で、彼の妹シュリが王女として、主人公として活躍するという筋書きになるそうだ。監督のライアン・クーグラーも未だ喪に服しており、なかなかその悲しみを乗り越えられないという。続編には前作からナキア役のルピタ・ニョンゴ、ラモンダ役のアンジェラ・バセット、エムバク役のウィンストン・デュークが続投することが明らかになっている。撮影は今夏アトランタにて開始、映画は2022年の7月8日に全米公開の予定となっている。
『21ブリッジ』が公開され、彼が再び注目されている。本作は確かに日本における劇場公開映画としてボーズマンをスクリーンで観る、ラストチャンスの作品ではあるものの、決して遺作ではない。『21ブリッジ』はすでに米国では2019年に公開されていたため、どちらかといえば2021年度アカデミー賞でボーズマンが主演男優賞ノミネートされた『マ・レイニーのブラックボトム』が彼の姿が見られる遺作だ。さらに言うと、2021年に配信予定のマーベルの『What If…?』もティ・チャラ役として生前4度スタジオを訪れて声の収録をしたボーズマンの最後の出演作とも言える。
もし、『マ・レイニーのブラックボトム』でボーズマンがオスカーを受賞することになれば……と考えると、記憶に新しいのが同じく『ダークナイト』で死後受賞したヒース・レジャーの存在。彼が受賞したのは助演男優賞だった。主演男優賞の場合、アカデミー賞史においてはピーター・フィンチ(『ネットワーク』/1997年)のみである。彼に続き、ボーズマンは史上2人目の主演男優賞死後受賞者となるのか。
『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』最新話である第4話にもワカンダの精鋭隊ドーラ・ミラージュが登場し、ふと彼女たちの国王に想いを馳せた。
■アナイス(ANAIS)
映画ライター。幼少期はQueenを聞きながら化石掘りをして過ごした、恐竜とポップカルチャーをこよなく愛するナードなミックス。レビューやコラム、インタビュー記事を執筆する。ワカンダ・フォーエヴァー。Instagram/Twitter
■リリース情報
『ブラックパンサー』
MovieNEX発売中
MovieNEX:4,000円(税別)
4K UHD MovieNEX:7,800円(税別)
4K UHD MovieNEXプレミアムBOX(数量限定):14,000円(税別)
発売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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