『ゴジラvsコング』全米大ヒットがもたらした「いいニュース」と「悪いニュース」

『ゴジラvsコング』全米大ヒットの影響

 先週末の動員ランキングは、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が土日2日間で動員19万6000人、興収3億2100万円をあげて、4週連続で1位。公開から30日間が経過した4月6日の時点で累計興収70億円突破。今週末の11日(日)には大ヒット御礼舞台挨拶として、遂に庵野秀明が新宿バルト9に登壇することも決定している。もっとも、来週末には東宝配給作品として、昨年から丸一年の公開延期を経て、次の「一人勝ち作品」となることが確定している『名探偵コナン 緋色の弾丸』の公開(4月16日金曜日)が控えているので、スクリーン数の大幅減少は必至。前回のコラム(参考:予想大外れ、興収100億に届きそうにない『シン・エヴァ』 反省しつつその理由を分析)でも取り上げたように、やはり大台超えはかなり厳しい情勢となっている。

 本コラムでは継続的にディズニープラスやHBO Maxを筆頭とする、ハリウッド・メジャーの配信展開について触れてきたが、この1週間あまりの期間にいくつかの大きな動きがあった。

 まず、日本国内の動きとしては、3月30日、USEN-NEXT GROUPの株式会社U-NEXTが米ワーナーと独占パートナーシップ契約を結んで、日本におけるHBO Max作品の配信プラットフォームとなることが発表された。HBO作品についてはこれまで日本では主にスターチャンネルが放送及び配信、Amazonが配信を手がけてきて、昨年末にアメリカでHBO Maxのサービスがローンチされてからは各プラットフォームから作品の多くが引き上げられていたが、これでひとまずHBOの主要作品の供給が日本でストップする事態は避けられたことになる。

 ただし、アメリカでは劇場公開と同日に配信される映画作品については含まれない模様。また、日本でもDCファンから注目を集めているHBO Max独占配信作品『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』に関しても、日本ではU-NEXTではなくワーナーからのソフト及び配信の独自展開(現状、リリース時期は「初夏」とアナウンスされている。劇場公開予定はなし)が決定している。つまり、日本のワーナーは映画作品と特定の一部の作品に関しては引き続き主導権を持ち続けているということだ。この折衷的な着地点、ユーザーサイドからは意見の分かれるところだろうが、昨年からディズニーの配信シフトに振り回されてきた日本の興行関係者は胸を撫で下ろしたはずだ。

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