韓国ドラマの三大要素は「愛」「運命」「大丈夫」? “名前とタイトル”の面白さを紐解く

“名前とタイトル”で追う韓国ドラマ

 名前が入っていなくても面白いタイトルは多い。最近で一番びっくりしたのは『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』。「なんじゃそりゃ」と言いたくなるタイトルなのに、やけにロマンチックで美しい男女が一つ傘の下に寄り添って歩いていて、そのギャップに戸惑う間もなく惹きこまれていく。

 こちらは『愛の不時着』のユン・セリことソン・イェジン主演。勤めるコーヒー会社でのセクハラをはじめ厳しい現実をなんとか耐えている30歳過ぎのヒロインの前に現れる弟の親友。彼との秘密の恋愛を通じて抑えていたものがどんどん解き放たれていく“綺麗なお姉さん”が印象深い。結果的に違和感はどこへ、これじゃなきゃ。となるタイトル、音楽、漂ってくる甘く鮮やかな香り、でも飲めば苦くて酸味もあるコーヒーのような恋愛。

 『大丈夫、愛だ』は、私の永遠の韓国ドラマベスト3に入る作品だけれど、かなり長い間タイトルが馴染まなかった。韓国ドラマにとって“愛”、“運命”(多種多様なファンタジーものはだいたいここに落ち着く)そして“大丈夫”、は三大要素で、それがタイトルに入っていると相当の気合を感じるけれど、これはそのうちの2つだけで成立させたタイトルだ。

 『キム秘書はいったい、なぜ?』『恋愛ワードを入力してください~Search WWW~』『私のIDはカンナム美人』など面白いタイトルはあげるとキリがない。時差があった頃と違って、今は配信サイトにずらりと並ぶ韓国ドラマのメニューをいつでもいくらでも眺めることができる。「何観たらいい?」という友人や知り合いには、まずこのメニューを楽しむ方法をお勧めしている。

■せともも
脚本家。NHK FM 『FMシアター』、TFM『NISSANあ、安部礼司』他。韓国ドラマ歴は10年以上。韓日字幕も学ぶ。『韓国ドラマを読む』 

■リリース情報
『キム秘書はいったい、なぜ?』
Blu-ray&DVD発売中
【DVD】16,200(税別)
【Blu-ray】18,200(税別)
出演:パク・ソジュン、パク・ミニョン、イ・テファン、カン・ギヨン、チャンソン(2PM)、ピョ・イェジン、キム・ヘオク、キム・ビョンオク、ファン・ボラ、カン・ホンソク、イ・ユジュン、ベク・ウネ、ホ・スンミ ほか
演出:パク・ジュンファ
脚本:ペク・ソンウ、チェ・ボリム
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
(c)STUDIO DRAGON CORPORATION
公式サイト:http://kandera.jp/sp/kim

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