黒島結菜、清原果耶、杉咲花は“経験者”組 朝ドラヒロイン、3パターンの系譜を分析

朝ドラヒロイン、3パターンの系譜を分析

(3)経験の浅い俳優を抜擢

 2010年以降の朝ドラで、演技経験の少ない女優がヒロインに抜擢された例はとても少ない。『あまちゃん』の能年玲奈(現・のん)と『てっぱん』(2010年・後)の瀧本美織くらいである。

 これはやはり、制作サイドが長期に渡る撮影でのリスクを極力抑えたいということと、ある程度知られている人材を起用するほうが視聴者もスっと作品に入り込めるという意図があってのことだろう。

 じつはこの傾向、かなり以前から根付いており、2000年代までさかのぼっても、演技未経験者でヒロインに決まったのは『まんてん』(2002年・後)の宮地真緒と『天花』(2004年・前)の藤澤恵麻、2人だけ。

 ほとんどの場合、主人公の半生が描かれる朝ドラ。私たちは、物語の中でヒロインが歩む人生に気持ちを添わせるのと同時に、それを演じる女優自身の成長も半年間見続ける。それこそ朝ドラが“国民的ドラマ”と称される理由なのかもしれない。

■上村由紀子
ドラマコラムニスト×演劇ライター。芸術系の大学を卒業後、FMラジオDJ、リポーター、TVナレーター等を経てライターに。TBS『マツコの知らない世界』(劇場の世界案内人)、『アカデミーナイトG』、テレビ東京『よじごじDays』、TBSラジオ『サキドリ!感激シアター』(舞台コメンテーター)等、メディア出演も多数。雑誌、Web媒体で俳優、クリエイターへのインタビュー取材を担当しながら、文春オンライン、産経デジタル等でエンタメ考察のコラムを連載中。ハワイ、沖縄、博多大吉が好き。Twitter:@makigami_p

■放送情報
NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』
NHK総合にて、2022年春放送
主演:黒島結菜
作:羽原大介
語り:ジョン・カビラ
沖縄ことば指導:藤木勇人
フードコーディネート:吉岡秀治、吉岡知子
制作統括:小林大児、藤並英樹
プロデューサー:松田恭典
展開プロデューサー:川口俊介
演出:木村隆文、松園武大、中野亮平ほか
写真提供=NHK

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