加藤清史郎、『モコミ』で自身のキャリアとも重なる役を好演 工藤阿須加は“裏の顔”も

『モコミ』加藤清史郎、自身と重なる役を好演

 一見したところ「爽やかな好青年」という共通点があるかに見えた岸田佑矢(加藤清史郎)と俊祐(工藤阿須加)という萌子美(小芝風花)を取り巻く2人の男性が対照的に描かれた、土曜ナイトドラマ『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』(テレビ朝日系)第6話。

 萌子美に変な虫がつかないようにと、佑矢に警告の意味も込めて自宅に来ないかと誘ったところ、屈託のない佑矢は喜んで招待を受け入れる。

 「役者を目指してアルバイトしている」という身の上を一切隠そうとせずに自分から話す佑矢の姿に一瞬顔を曇らせる萌子美の両親。親が4年間援助してくれると言う佑矢に、思わず俊祐は「ハングリー精神ないね。そんなんで売れるの?」と聞き返すも、佑矢は「ハングリー精神と“売れること”って関係あるんですか?」「苦労せずに売れるならその方がよくないですか? 親が大学に行くために貯めてくれたお金なのでありがたく使わせてもらっています。将来学ぶためのお金です。場所が大学でも劇団でも学ぶことに変わりはないので」と、全て自分の考え、自分の言葉で臆することなくはっきりと答える。むしろ俊祐の方が萎縮し、両親の反応もどんどん好転していく。「高校で大学に行かなかったのは僕一人です。地元では名のある進学校だったんですが」という一言で、両親たちは「そんな若いのに自分一人だけ思い切った決断をしたなんて立派だ」と全てが好印象に変換され、完全に佑矢の賛同者だ。

 それでも腹の虫が治まらない様子の俊祐は極めつけの質問「売れなかったらどうすんの?」と重ねるも「その時に考えます。絶対に安全な道なんてないので。柔軟にやっていきたいと思います」と即答する佑矢の完全圧勝だ。

 確かに、ともすれば行き当たりばったりかに思える佑矢の言葉全てが力を宿して聞こえるのは、彼を演じる加藤清史郎自身のこれまでの歩みにもあるのかもしれない。トヨタ自動車のCMでの「こども店長」や、大河ドラマ『天地人』(NHK総合)での直江兼続の幼少期役で一気にお茶の間に癒しを届けてくれる人気子役として名を馳せた加藤だが、高校3年間をイギリスの全寮制の学校で過ごすという思い切った決断をしている。多感な時期に全く馴染みのない環境に身を置いた経験がきっと彼自身を一回りも二回りも大きくしてくれていたのだろう。

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