芦田愛菜&加藤清史郎、『麒麟がくる』登場でひとときの癒やしに 一世を風靡した子役2人の成長

芦田愛菜&加藤清史郎、『麒麟がくる』登場

 幕臣としての誇りを胸に、三淵藤英(谷原章介)は自らの手で命を絶った。NHK大河ドラマ『麒麟がくる』の第38回「丹波攻略命令」では、攻め取るのが大変難しいとされる丹波との戦を光秀(長谷川博己)が信長(染谷将太)から命じられる。

 坂本城に預けられていた三淵に、信長から自害するよう命令が下った。足利義昭(滝藤賢一)と文を交わし信長を討とうとしていたことを知られてしまったのだ。たま(芦田愛菜)に生け花の手ほどきをしていた三淵だが、やってきた光秀の顔色を見るや「覚悟はしていた」と静かに受け止めた。光秀は信長に直訴することを申し出るが、三淵はそれを断り、自ら人生の幕を閉じることに。自分の生き様を、生けられることなく切り落とされた百合の花に例え、「捨てられる花にも、一度は咲いて見せたという誇りがあるように見える」と語る。三淵は一生涯を幕臣として終えた。三淵を演じた谷原は、クロースアップされた瞳から一粒の涙を滲ませる。この美しい涙に、これまでの三淵の想いが込められていると思うと、つい目頭が熱くなる。

 天正二年、光秀の軍が河内の国を攻めている最中のこと、斎藤利三(須賀貴匡)が稲葉一鉄(村田雄浩)の元から逃げ込んでくる。だが、それを知った信長は光秀を呼びつけ、利三を稲葉に引き渡すよう告げるのだった。稲葉の元で利三が生き永らえるはずもないことを分かっていた光秀は、とうとう信長に物申す。義昭を着の身着のまま、裸足で歩かせ人々の嘲笑を受けさせたり、三淵を紙切れ一枚で自害まで追いやったりしていては人望を得られないと告げ、利三を渡すことをきっぱりと断るのだった。信長は光秀の言葉にいら立ちを隠せずに「もうよい、帰れ!」と一喝するものの、どうにか気を取り直すと光秀を呼び戻す。そこで信長の口から発せられたのが丹波攻略の話。こうして光秀は翌年、丹波の国の攻略に踏み出すが、この戦は光秀にとって長い戦の始まりとなる。

 今回、初登場となったのが、成長した光秀の娘・たまを演じる芦田愛菜と、帝の後継者の誠仁親王役の加藤清史郎だ。芦田と言えば『Mother』(日本テレビ系)で母親から虐待を受ける少女を演じたことで一躍話題に。『江〜姫たちの戦国〜』(NHK総合)で大河ドラマデビューを果たし、今回『麒麟がくる』では約9年ぶりの大河出演となった。本作では南蛮衣装姿の光秀をみて無邪気に笑ったり、三淵から生け花を教わるなど、このシビアな戦国の世でひとときの癒しと言わんばかりのピュアさを見せる。光秀から穏やかな表情を引き出し、朗らかな家族団欒を表現する役割を担うたまを、芦田は堂々を演じた。

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