『青のSP』葛藤を抱える役どころを田中奏生が好演 山田裕貴は教師役の演じ分けが光る

『青のSP』山田裕貴、教師役の演じ分け光る

 山田裕貴ファンにとっても溜飲の下がる内容だった。ここまでコミックリリーフ的な役回りに徹していた山田が、少年と真摯に向き合う所轄刑事を熱演。学園ドラマということで、どうしても連想してしまうのが、これまでの出演作だ。『ホームルーム』(MBS)、『先生を消す方程式。』(テレビ朝日系)、現在放送中の『ここは今から倫理です。』(NHK総合)など、このところ教師役が続いている山田。個性のまったく異なる教師を演じ分けるのはさすがとしか言いようがない。『ここは今から倫理です。』では、スキンシップを求める生徒を前にためらう場面があったが、本作の「教えてくださいよ。どうしたらあいつを救えるんですか」と感情を吐露し、敏春を抱きしめるシーンに心が震えた。

 物語はいよいよ終盤へ。隆平は香里(明日海りお)が死の理由に切り込んでいく。しかし、ここまで焦らしながら進んで来ただけに、すぐに真相が明らかになるというわけにはいかない。隆平は涼子を問い詰める。涼子は校長の木島(高橋克実)に命じられて香里を監視していた。隠ぺいを見過ごせなかった香里は元美術教師の岡部(遠藤雄弥)と涌井美月(米倉れいあ)の関係を調べており、その矢先の事故だったのだ。一歩真相に近づくごとに一歩謎が深まる。その先に真実はあるのだろうか?

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログTwitter

■放送情報
『青のSP(スクールポリス)―学校内警察・嶋田隆平―』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜21:00〜放送
出演:藤原竜也、真木よう子、山田裕貴、泉澤祐希、たくませいこ、渋谷謙人、智順、兒玉宣勝、金沢雅美、音尾琢真、石井正則、須賀健太、遠藤雄弥、明日海りお、峯村リエ、升毅、山口紗弥加、高橋克実
脚本:大石哲也、山岡潤平、小島聡一郎
音楽:菅野祐悟
プロデューサー:河西秀幸、国本雅広、高橋史典
演出:国本雅広、白川士、高橋貴司
制作:カンテレ、ケイファクトリー
(c)カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/schoolpolice/
公式Twitter:https://twitter.com/bluesp_tue21
公式Instagram:https://www.instagram.com/bluesp.tue21/

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