『天国と地獄』外れても気持ちがいい推理合戦の連続 柄本佑演じる陸を絡めた三角関係に
歩道橋で待つ“あの子”が黒幕!?
周囲からの人望、そして一緒に九十九(中尾明慶)を捕まえようと作戦を実行したときの手応え。同じ刑事であっても、河原(北村一輝)のように息が合わない人も多い。その中で、2人は初タッグとは思えないほど手際よくミッションを遂行することができた。日高を知れば知るほど、殺人犯とは思えなくなった彩子。
日高がメイクやファッション、そして陸との生活など、あまりにも女性である楽しみを謳歌しているように見えるため、彩子との入れ替わりの前に誰か他の女性と入れ替わっているのではないかという予想も立った。だが日高のアルバムを開くと、乳歯ケースのようなものを持った少年時代から耳たぶを触る癖もしっかりと記録されている。当時から変わらないこの癖があるのだとしたら、いま彩子に入っている魂は間違いなく日高なのだろうか。
だとしたら、やはりあの送られてきた動画にある通り、日高が実行犯ということになるのか。そんな推理がぐるぐるとしているときに、陸によって「日高はるとさま」と宛名書きされた手紙の内容を知ることができた。「明日3時。学校のそばの歩道橋で待ってます」という告白する相手を呼び出すような文章。なぜ、その手紙を殺人リストや謎の漫画『暗闇の清掃人』などと共に保管してきたのか。彩子の中で、その手紙の差出人こそが事件の黒幕なのではないかという仮説が浮かぶ。
「あんたの殺人容疑を晴らそう」「だってあんた殺ってないんだから」の言葉に日高も思わず立ち止まる。そして、ある家を眺めると、そのまま太陽のほうへと視線を移す。その太陽は、歩道橋の上から彩子も同時に見つめているものだった。
日高が偵察を続ける家。落ちていた「TORHINORM」という謎の錠剤を服用した形跡。「時間がありませんね」とつぶやく日高の真意。これまで彩子と日高の2人が、入れ替わり伝説の“月”と“太陽”を象徴し、「シヤカナローの花」となるアイテムを探してきた。だが、もしかしたらに「シヤカナローの花」に当たるキーパーソンが他にいるのかもしれない。
3年前の事件に新たな進展が!?
彩子とはまた違う意味で骨の髄まで刑事の河原。行き過ぎた捜査に第一線から外されてもなお、3年前の横浜法務省官僚殺人事件について調べ直していた。彩子と日高が何かしらの形で、事件に繋がっているのではないかと睨みながら。そこで、事件の目撃者・戸田一希に行き着く。
目は大きく、鼻は大きな鷲鼻、右の鼻の穴の下に目立つ大きなホクロがあり、面長で、顎がしゃくれているという『魔法のテン』のキャラクターに、そっくりな肖像画を証言したとされる一希。調べ直すと顧客の個人情報を売買した過去があり、ますます怪しく感じられる。そして、またもや数字が名前に入った新たな登場人物に、我々視聴者としても注目せざるを得ない。
ちなみに鼻の下に目立つ大きなホクロといえば、彩子と陸が落ち合った居酒屋の大将にもあった。チラチラと2人の様子をうかがい、会話にも聞き耳を立てていたようにも見えなくもない。もはや主要登場人物のみならず、誰もが怪しく感じる展開に。そんななか次週は「9」にまつわる新たな事件が起きそうだ。
「やっぱり!」と当たっても、「そうきたか〜」と外れても、気持ちがいい『天国と地獄』の推理合戦。好奇心はさらに刺激される一方だ。後半戦、これまで散りばめられた謎が一つずつ解き明かされていくことを楽しもうではないか。
■放送情報
日曜劇場『天国と地獄 ~サイコな2人~』
TBS系にて、 毎週日曜21:00~21:54放送
出演:綾瀬はるか、高橋一生、柄本佑、溝端淳平、中村ゆり、迫田孝也、林泰文、野間口徹、吉見一豊、馬場徹、谷恭輔、岸井ゆきの、木場勝己、北村一輝
脚本:森下佳子
編成・プロデュース:渡瀬暁彦
プロデュース:中島啓介
演出:平川雄一朗、青山貴洋、松木彩
製作著作:TBS
(c)TBS