実話に基づく親子の旅立ちの物語 ニル・ベルグマン最新作『旅立つ息子へ』ポスター&予告編

 3月26日に公開される、イスラエルの映画監督ニル・ベルグマンの最新作『旅立つ息子へ』の予告編とポスタービジュアルが公開された。

 本作は、第73回カンヌ国際映画祭など世界中の映画祭に正式出品された、爽やかな旅立ちの物語。世界でいちばん愛する息子のために、キャリアも妻も捨てて、子育てに人生を捧げてきた父は、「金はなくても愛がある!」と田舎に引っ込み、2人だけの世界を楽しんできた。ところがある日、彼らに突然の試練が訪れる。

 『ブロークン・ウィング』で長編デビューし、第15回東京国際映画祭でグランプリを受賞したベルグマン監督。『僕の心の奥の文法』でも同映画祭でグランプリを受賞し、東京国際映画祭史上初にして唯一の二度のグランプリ受賞の快挙を果たしている。本作は、イスラエル・アカデミー賞では監督賞をはじめ4部門受賞の評価を得ている。

 息子ウリ役を演じたノアム・インベルは、オーディションでこの役を勝ち取った新人。実際に、彼の父親は自閉症スペクトラム施設の職員で、小さい頃から施設の友達と一緒に育った経験が、キャラクターへの深い理解に繋がっている。父親役のシャイ・アヴィヴィは『喪が明ける日に』などに出演のイスラエルで活躍するベテラン俳優。さらに、この物語は脚本家ダナ・イディシスの父親と、自閉症スペクトラムの弟の特別な関係をモデルに作り上げられた。

 公開されたビジュアルでは、「君のために何ができるだろう」という父が息子を想う深い愛情に溢れたコピーとともに、青空の下、笑顔で親子仲良くサイクリングをする場面が切りとられている。

映画『旅立つ息子へ』予告編

 予告編は、逃避行の幕開けのシーンからスタート。愛する息子ウリ(ノアム・インベル)を育てることに、人生の全てを捧げてきた父親のアハロン(シャイ・アヴィヴィ)。ウリが成人になるのを機に、別居中の妻は息子の将来を心配し、全寮制の特別支援施設への入所を決めてしまう。ずっと父親と生きてきたウリは、突然告げられた別れにパニック。迷った挙句、アハロンは「息子は自分が守りぬく」と決意し、2人きりの予期せぬ逃避行が始まる。

 さらに、本作をいち早く観賞した滝藤賢一ら著名人から絶賛コメントが寄せられた。

コメント

関根勤(タレント)

父親の深い愛情に感動した!
観終わった後、暫く椅子から立ち上がれなかった!

滝藤賢一(俳優)

『クレイマー、クレイマー』『マリッジ・ストーリー』を彷彿とさせる映画『旅立つ息子へ』。
誰しも訪れる人生の岐路。
その選択が正しいかどうかなんてことは、誰にも分からないし誰にも決められない。
1人の少年を通して愛すべき人間の姿が浮き彫りになり、自分が生きる意味を考えてしまった。

照英(俳優)

愛情と切なさの狭間に、涙が止まらなかった。
親として子を信じてあげる勇気!!
その答え合わせが出来た気がする。
子育てのバイブルこの作品にあり!!

谷川俊太郎(詩人)

映画を観たというより、父親のアハロンとともに、私はこの父と子の現実を生きました。きつかったけれど豊かな時間でした。

久米宏

地中海が見事に青い
父親は息子をひたすら愛する 愛し続ける
やがて 息子は青い海に向かって歩き始める

父親と息子 ふたりの俳優が素晴らしい
上映時間94分 これも気持ちが良い

鎌田實(医師・作家)

心の底から温かくなる映画。ドタバタの逃避行が何かを変える。エンディングはジーンとくる。
「よくやった」と必死に生きる2人に思わず拍手。感動、感動!

瀧波ユカリ(漫画家)

自閉症スペクトラムの息子と父の逃避行が、サスペンスよりもスリリングでラブロマンスよりも切ないなんて! そんじょそこらの愛じゃないし、優しいだけの父じゃない。静かな時間の中で予想は何度も裏切られ、そのたび胸が震えた。

荻上チキ(「荻上チキ・Session」パーソナリティ)

文字通りの凸凹コンビによる、長く静かな旅。いずれ親子は、「繋がり方」を見直す時を迎える。痛いほどの喜ばしさ、そして切なさ。

岸田奈美(作家)

わたしの家族にもやってくる、遠いようで近い、不安にまみれた未来。そういう霧が少し晴れました。

障害のある家族と生きる人なら誰もが抱くであろう愛と葛藤、その先に必ずある成長に、強さをもらえた気がします。

おおたとしまさ(育児・教育ジャーナリスト)

子育てとは、子どもにとっての自分の価値を毎日少しずつ減らしていく逆説的な営み。ゆえに、親として最も幸せな瞬間は、親として最も寂しい瞬間にやってくる。すべての子煩悩な親に見てほしい、子育ての「幸せな逆説」が凝縮された作品。

ダースレイダー(ラッパー)

イスラエル映画『旅立つ息子へ』これは素晴らしい作品です。
人は成長するし、それはすぐには目に見えないかもしれないし実は見ようとしてない時もある。
それでも僅かな変化が心を震わし、人に気づきを与える。
ある意味″そして父になる″映画だと思いました!

■公開情報
『旅立つ息子へ』
3月26日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開
監督:ニル・ベルグマン
脚本:ダナ・イディシス
出演:シャイ・アヴィヴィ、ノアム・インベル、スマダル・ヴォルフマン
配給:ロングライド
2020年/イスラエル・イタリア/ヘブライ語/94分/1.85ビスタ/カラー/5.1ch/英題:Here We Are/日本語字幕:原田りえ
(c)2020 Spiro Films LTD.
公式サイト: https://longride.jp/musukoe

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