茅野愛衣は新たな領域へ 主人公から名バイプレイヤーとしての役割まで担う注目の声優陣

茅野愛衣は新たな領域へ 主人公から名バイプレイヤーとしての役割まで担う注目の声優陣

 物語の中核を担う主人公を演じる作品も多数ありながら、時には名バイプレイヤーとして作品に彩りを与える。アニメ作品にはなくてはならないその存在は、野球でいえばクローザーといったところだろう。例えば『鬼滅の刃』の煉獄杏寿郎で一躍時の人となった日野聡は、人気女性声優が揃い踏みの『五等分の花嫁』で、たまにしか出てこない風太郎の父親=上杉勇也や、『呪術廻戦』で呪術高専京都校の加茂憲紀などで良い味を出している。他にも『はたらく細胞!!』でがん細胞を演じる石田彰、『天地創造デザイン部』で木村を演じる梅原裕一郎など、「この人がここにいてくれることで作品が整う」といった存在は、アニメ作品には引っ張りだこになる。女性声優でいえば茅野愛衣や金元寿子などがそうで、今期も数多くの作品に名前を連ねていて注目だ。

新たな領域に入った癒しボイスの筆頭・茅野愛衣

 茅野愛衣は、2010年に声優としてデビュー。『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のメンマこと本間芽衣子役と聞けば、どんな声か思い出す人は多いだろう。空気成分を多く含んだふんわりとした声質から幼い女の子を演じることが多く、『ノーゲーム・ノーライフ』では、11歳の少女でありながらゲームの天才である=白という難しい役を好演した。

『ガールズ&パンツァー 63回戦車道全国高校生大会 総集編』(c)GIRLS und PANZER Projekt

 優しく包み込むような、母性を持った役柄を演じることも多い。『ガールズ&パンツァー』では料理好きで女子力の高い武部沙織、『鬼滅の刃』では、胡蝶しのぶの姉でカナヲを引き取った、慈愛の持ち主である胡蝶カナエ役を演じた。主人公の母親が真の主人公という異色作『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』では、優しくて最強の母親=大好真々子を演じて話題を集めた。「あらやだ、マー君ったらもう〜」とニコニコしがら敵を殲滅する様子は実に爽快で、こんな母親になら叱られたいと思ったファンは多かっただろう。

『約束のネバーランド 第2期』(c)白井カイウ・出水ぽすか/集英社・約束のネバーランド製作委員会

 現在放送中の『ホリミヤ』でも、ヒロインである京子の母=堀百合子役でかわいらしいママぶりを発揮している。Season2が好評の『約束のネバーランド』では、ブロンドヘアの少女=アンナを演じている。エマたちが外で戦っている間の子どもたちを守る役目で、まさしくみんなの母親的な存在だ。原作の読者なら後のアンナの活躍はご存じの通りで、それを考えればアンナ役=茅野はナイスキャスティングだと頷ける。

 そんな茅野の癒し系枠に迫る者も多いが、茅野はそのポジションに安住することなく、近年は多彩な役柄を演じて活躍の幅を広げている。例えば『ソードアート・オンライン アリシゼーション』のアリスは、女性らしい空気をまといながらも芯のある声が印象的で、彼女にとっての新境地になった。一方『この素晴らしい世界に祝福を!』ではドMのクルセイダー=ダクネス、『冴えない彼女の育てかた』では毒舌の黒髪美少女=霞ヶ丘詩羽と実に多彩だ。

 今期は『裏世界ピクニック』の仁科鳥子、『たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語』で主人公ロイドの面倒をみる魔女のマリー、『無職転生 ~異世界行ったら本気だす』ではルーデウスの幼なじみの少女=シルフィエットなど演じている。鳥子は主人公の紙越空魚を裏世界に引き込むキーマンで、優しさと強さを兼ね備えながら、良い意味での軽やかさがある。これまでの母性を持った役どころや『SAO』のアリスとも違った雰囲気で、新たな領域に入ったことを実感させる。

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アクター分析」の最新記事

もっとみる