吉田鋼太郎、『麒麟がくる』松永久秀の最期を熱演 光秀と見せた束の間の友愛
松永が死んだ後も、信長は平蜘蛛の行方にひどくこだわっていた。実は、信長は間者を使い、松永と光秀が会っていたことを既に突き止めていたのだ。だがこの件について問い詰められた光秀は、死んだ松永を裏切れずに「平蜘蛛の話はしていない」と嘘をついてしまう。光秀が去ると、信長は「十兵衛が、このわしに嘘をつきおった」と怒りを滲ませる。帝(坂東玉三郎)だけでなく帰蝶(川口春奈)までもが離れていこうとしている今、光秀に嘘をつかれることは信長にとって大きな悲しみとなったことだろう。
坂本城に戻った光秀を伊呂波太夫(尾野真千子)が訪ねてきた。そこでようやく光秀は平蜘蛛を受け取ることの重大さに気づく。「まんまと引っかかってしまった。これは松永久秀の罠だ」と目をひん剥いて笑う光秀の姿は、狂気すら孕む。だが、松永から最後に平蜘蛛と共に託された「誇りを失わず、志高き、心美しき覚悟を持て」の言葉を聞いて、光秀は我に返る。松永の思いに突き動かされるように、帝に会うことを決心するのだった。
平蜘蛛を受け取ることで初心に返った光秀もまた、信長から離れようとしている。徐々に孤独になる信長。そして光秀は、自らの道を歩み始めようとしていた。
■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter
■放送情報
大河ドラマ『麒麟がくる』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアムにて、毎週日曜18:00~放送
BS4Kにて、毎週日曜9:00~放送
主演:長谷川博己
作:池端俊策
語り:市川海老蔵
音楽:ジョン・グラム
制作統括:落合将、藤並英樹
プロデューサー:中野亮平
演出:大原拓、一色隆司、佐々木善春、深川貴志
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/kirin/
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