Snow Man 目黒蓮、『教場ll』で見せた俳優としての可能性 『滝沢歌舞伎』がターニングポイント?

目黒蓮、『教場ll』で爪痕残す

ブラッシュアップした半兵衛を魅せた『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』

 目黒の演技について大きな進化を実感したのは、昨年12月に全国公開された『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』だ。昨年の舞台に続き人気の演目のひとつ「鼠小僧次郎吉」で百人斬りを目指す残虐な盗賊・半兵衛を演じた目黒。何より驚かされたのは目黒がスクリーン用にブラッシュアップさせた半兵衛を見事に演じていたことだ。もちろん他のメンバーも映像を意識した演技であったのだが、目黒のそれは群を抜いていた。細かな表情や目つきに加え、セリフのトーンにハッキリと抑揚をつけることで、冷酷な盗賊の凄みを表現していた。Snow Manは向井康二や宮舘涼太をはじめとして演技力に定評のあるメンバーが多いが、目黒の成長は際立って目を引いた。筆者は映画館で『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』を観た後、確認のために映像で『滝沢歌舞伎 ZERO』を視聴し、再び映画館に足を運んだが初見に受けた印象を確信した。

夢のデビューを掴んだ先に見えているものとは

 多忙なスケジュールにあっても目黒の仕事へのスタンスは常に真っすぐでどん欲だ。その姿勢は2017年の『滝沢歌舞伎』での経験が大きなターニングポイントになっているのかもしれない。怪我をしたJr.の代役として「明日から出られるか?」と打診され、一晩で振りを覚え、翌日の公演ではほぼ完璧に演じ、滝沢秀明からは「困ったときの目黒」と大きな信頼を得て周囲から認められたと感じたのだという(参照:雑誌『BARFOUT!』2021年1月号)。

 またSnow Manに加入したばかりの頃、『滝沢歌舞伎2019』の練習でも、当時は別のユニットにも所属し、嵐のツアーのバックを務めていたため皆と稽古に参加することができなかった。しかし目黒はツアーから戻り、そのまま朝まで動画を見て振付をマスターした努力家である。特に記憶に残っているのはデビュー曲「D.D」のMV収録でハードなスケジュールの中、笑顔で「めちゃめちゃ楽しい」と語る場面だ。MVのメイキング映像に映った「これが夢でした。これがやりたくて頑張ってきた」とデビューの嬉しさを噛みしめる目黒の姿が印象的だった。

 どう頑張ったらいいのかも分からず、がむしゃらに先輩のバックに立っていた時期もあるというが、デビューという夢を掴んだ目黒には今後のビジョンが明確に見えているのだと思う。また個人の仕事の経験をSnow Manに還元したいという想いが強いのはSnow Manというグループを愛し、メンバーとの信頼関係が確立しているからに他ならない。目黒に対する印象を聞かれた木村の「真面目だし、もっと色んな役をやってほしいなと思いました」(参考:木村拓哉が語る、『教場ll』生徒たちとの奮闘 「もがくことがちゃんとあって、すごくいい」)という言葉の指し示す通り、アイドルとしての活動はもちろん、俳優としても演技の幅と奥行きを広げ、様々な役柄を演じる姿をテレビやスクリーンで見られる日を楽しみにしたい。

■北村由起
ライター・エディター。出版社勤務、情報誌編集長を経てフリーに。情報誌、webマガジン、ムック等を中心に執筆。ジャニーズウオッチャー。

■放送情報
『教場II』
Tver、FODにて配信中
出演:木村拓哉、濱田岳、上白石萌歌、福原遥、矢本悠馬、杉野遥亮、目黒蓮(Snow Man)、眞栄田郷敦、岡崎紗絵、戸塚純貴、高月彩良、樋口日奈(乃木坂46)、重岡大毅(ジャニーズWEST)、三浦貴大、佐久間由衣、嘉島陸、工藤阿須加、川口春奈、葵わかな、富田望生、味方良介、村井良大、大島優子、三浦翔平、佐藤仁美、和田正人、高橋ひとみ、松本まりか、小日向文世ほか
原作:長岡弘樹『教場』シリーズ(小学館)
脚本:君塚良一
演出:中江功
プロデュース:中江功、渡辺恒也、宋ハナ、遠藤光貴(SWITCH)
制作協力:SWITCH
制作著作:フジテレビ
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/kyojo/
公式Twitter:@kazamakyojo
公式Instagram:@kazamakyojo

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