2020年の年間ベスト企画
年末企画:宇野維正の「2020年 年間ベスト映画TOP10」 面白いのはこれから(逆ギレ気味に)
「観る」と「見る」。「観客」と「視聴者」。映画について何かを書く際にはそうした言葉のニュアンスに意識を研ぎ澄ませながら、今年もたくさんの映画を観て/見てきた。ここに挙げた10作は、ノスタルジーに全振りしたかのような『フォードvsフェラーリ』や『ヴァスト・オブ・ナイト』も含めて、現在、我々が歴史の中でどんな場所にいるのかを直喩や暗喩を通して教えてくれる作品だった。映画は方位磁針ではないが、さすがにこれだけ派手に(何よりも映画作家にとっての)足場が崩れてしまうと、今後もそういう作品は増えていくだろう。嵐はまだ過ぎ去っていない。
■宇野維正
映画・音楽ジャーナリスト。「集英社新書プラス」「MOVIE WALKER PRESS」「メルカリマガジン」「キネマ旬報」「装苑」「GLOW」などで批評やコラムやインタビュー企画を連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)、『日本代表とMr.Children』(ソル・メディア)。最新刊『2010s』(新潮社)発売中。Twitter
■配信情報
Netflix映画『Mank/マンク』
Netflixにて独占配信中
監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:ゲイリー・オールドマン、アマンダ・セイフライド、リリー・コリンズ、チャールズ・ダンス、タペンス・ミドルトン、トム・ペルフリー、トム・バーク
公式サイト:mank-movie.com