劇団EXILEメンバー分析 Vol.4:町田啓太
町田啓太、作品ごとに激変する多彩な演技力 『チェリまほ』『今際の国のアリス』に至るまで
この12月からは、Netflixで配信中のドラマ『今際の国のアリス』にも出演。このところ、デビュー当時のような、アウトローやワルなイメージの役は少なかったというが、映画『きみの瞳(め)が問いかけている』など、こうした役のオファーも続いている。
『今際の国のアリス』で町田は、山崎賢人演じる主人公・アリスの親友のカルベという役を演じている。金髪に柄シャツでタバコをふかしている姿に、「本当にこれは『チェリまほ』の黒沢を演じているのと同じ人なのか?」と思わせるほどの別人のオーラを漂わせている。黒沢を演じるときは、生きてきた過程がうかがえるような、顔に刻み込まれたような笑顔を見せ、終始優しさをまとっているのに対し、カルベはこれまた彼の生きてきた過程をうかがわせるように、険しげな眉毛で、違う顔の筋肉の動きを使っているように見える。たくさんの役を演じることで、類型化できない多様な顔を持っていくのがわかる。
プライベートの話を聞かれると、映画、特に韓国映画について言及しているのをよく見かける。しかも、『友へ チング』などの2000年代の映画から、近年は『哭声/コクソン』や『お嬢さん』のタイトルも挙げていて幅が広い。また、『タクシー運転手〜約束は海を越えて〜』や『1987、ある闘いの真実』など、韓国の政治を描いたものにも影響を受けたという(参照:NEWSポストセブン「町田啓太の人生を変えた韓国映画『1987、ある闘いの真実』」/FILMAGA「“Filmarksユーザー”町田啓太の映画愛が止まらない 『HiGH&LOW2』への想いと煌めきのワケ【インタビュー】」)。
筆者も去年の秋ごろの取材時に、「最近も韓国映画を観ていますか?」と聞いたところ、「『寄生虫』が観たいんですよ」という答えが返ってきたことがあった。この『寄生虫』というのは、『パラサイト 半地下の家族』の原題である。もちろん、当時から韓国映画好きは感心を持っているものも多かったが、この作品が米アカデミー賞で作品賞を含む4冠を成し遂げるとは誰も予想しておらず、公開のかなり前の話であったので、町田啓太が韓国映画に本当に興味を持っているということがこの一言で伝わってきた。いつか機会があったら、もっとじっくり映画についても聞いてみたいものである。
※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記。
■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。
■放送情報
木ドラ25『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』
テレビ東京ほかにて、毎週木曜深夜1:00〜1:30放送
BSテレ東/BSテレ東4Kにて、毎週火曜深夜0:00〜0:30放送
※放送日時は変更になる可能性あり
出演:赤楚衛二、浅⾹航⼤、ゆうたろう、草川拓弥(超特急)、佐藤玲、鈴之助、町田啓太
原作:豊田悠(掲載『ガンガンpixiv』スクウェア・エニックス刊)
オープニングテーマ:Omoinotake「産声」(NEON RECORDS)
エンディングテーマ:DEEP SQUAD「Good Love Your Love」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
監督:風間太樹、湯浅弘章、林雅貴
脚本:吉田恵里香、おかざきさとこ
プロデューサー:本間かなみ(テレビ東京)、井原梓(テレビ東京)、熊谷理恵(大映テレビ)
制作:テレビ東京 大映テレビ
製作著作:「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」製作委員会
(c)豊田悠/SQUARE ENIX・「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」製作委員会
公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/cherimaho/
公式Twitter:https://twitter.com/tx_cherimaho