『生きちゃった』から『この恋あたためますか』まで 映画やドラマにおける仲野太賀の重要度

『生きちゃった』から『この恋あたためますか』まで 映画やドラマにおける仲野太賀の重要度

 このようにして映画界を盛り上げた仲野だが、一方で、お茶の間をも沸かせた。これまた同タイミングに、『あのコの夢を見たんです。』(テレビ東京系)と『この恋あたためますか』(TBS系)という毛色の異なる出演ドラマの放送が始まったのだ。

ドラマ24 第60弾特別企画『あのコの夢を見たんです。』(c)「あのコの夢を見たんです。」製作委員会

 前者は、お笑い芸人の山里亮太による短編小説集を実写化したもので、仲野は意外にも本作が民放ドラマ初主演。彼は主演でありながらストーリーテラーでもあり、その高次元の器用さを示す機会ともなった。そのうえ、本作は各回ごとにヒロインが変わる。ヒロインが変われば物語も変わる。物語が変われば仲野が演じるキャラクターも変わる。彼は高校生から魔王退治に向かう勇者のクルーまでを演じ分け、森七菜や芳根京子らが演じるヒロインを輝かせた。

 また、後者『この恋あたためますか』でも、森七菜演じるヒロインとの恋模様を展開させ、多くの視聴者をドキドキさせ、少々ヤキモキもさせた。本作でメインとなっているのは、主人公・井上樹木(森七菜)と浅羽拓実(中村倫也)の恋の行方だが、仲野が演じた“まこっちゃん”こそが多くの方の共感や応援を集めたキャラクターなのではないかと思う。こちらではバイプレイヤーとしての力を発揮しながら、サブストーリーである“まこっちゃんの恋物語”では主役として立っているのだ。

『この恋あたためますか』(c)TBS

 来る2021年は、仲野が出演した『すばらしき世界』『あの頃。』など、西川美和監督や今泉力哉監督らの作品の公開が控えている。両者とも、いまの日本映画界において欠かせぬ存在だ。彼らの作品に必要とされる仲野太賀もまた、俳優部のひとりとして欠かせぬ存在なのだと思う。

■折田侑駿
1990年生まれ。文筆家。主な守備範囲は、映画、演劇、俳優、服飾、酒場など。最も好きな監督は増村保造。Twitter

■放送情報
『この恋あたためますか』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:森七菜、中村倫也、仲野太賀、石橋静河、飯塚悟志(東京03)、古川琴音、佐藤貴史、長村航希、中田クルミ、佐野ひなこ、利重剛、市川実日子、山本耕史
脚本:神森万里江、青塚美穂
プロデュース:中井芳彦
演出:岡本伸吾、坪井敏雄
主題歌:SEKAI NO OWARI「silent」(ユニバーサルミュージック)
製作著作:TBS
(c)TBS

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